ニュートリノ!サイエンスコミュニケーターの高知尾です。
先日、神岡町の保育園の年長さん25名がカミオカラボに遊びに来てくれました。
やった!
ご存知の通り、カミオカラボでは「ニュートリノ」や「重力波」など少し難しい概念を扱っています。そのため、保育園の園児を対象とした長時間のツアーが初めてだった今回はちゃんと楽しんでもらえるか正直少し心配でした。
ところが!1時間というツアーの間、園児たちはしっかりとお話を聞いてくれました!
お話を聞く園児たち
カミオカラボに入って最初に展示されているのが、下の写真に写る「きらきら石」です。
神岡鉱山で採掘された鉱石なのですが、ライトを当てると一部分が反射してきらきらして見えます。この部分が神岡鉱山で採掘された金属の中でも代表的な存在である亜鉛です。
神岡鉱山で採掘された亜鉛鉱石(通称きらきら石)
高知尾「ここで問題です。このきらきらしている部分はお金の材料になります。何円玉になるでしょうか?」
園児たち「100円玉!」
園児たち「10円玉!」
園児たち「1円玉!」
高知尾「穴の開いたやつです」
園児たち「50円玉!」
高知尾「もう一声!」
園児たち「5円玉!」
高知尾「正解!」
たくさんの園児たちが答えてくれました。
答えは、5円玉(亜鉛の合金である黄銅を用いている)と500円玉(亜鉛の合金であるニッケル黄銅を用いている)です。
次に紹介したのが、光電子増倍管という光センサーです。
人間の〇〇に相当する「光電子増倍管」
高知尾「またまた問題です。この大きな電球みたいなものは人間でいうとどの部分と同じでしょうか?耳?手?それとも眼??」
今回の答えは、何でしょう?
そう、光を感知する「眼」です。
高知尾(の心の中)「うん?待てよ。そうするとスーパーカミオカンデの脳みそは、一番上に備え付けられているエレクトロニクスハット(電子回路部屋)で良いとして、スーパーカミオカンデの心臓部はどこになるんだろう??…超純水を送り出しているポンプか??」
問題を出しておきながら、高知尾が混乱します。
気を取り直して、ここからはニュートリノに関するゲームを園児たちと体験していきました。
まずは、原子をつかんで集めて化合物をつくるゲームです。
一人ずつのゲームなので、やりたい人?と聞くとたくさんの子が手を挙げてくれました。
そこで今回は、今までやったことがない、かつ一番近くにいた子に挑戦してもらいました。
キネクトセンサーを利用して、仮想的に映る原子をキャッチしていくのですが、最初はなかなか思うようにつかめません。
園児たちは、みんな応援してくれます。ただプレシャーにもなってしまうので、ゆっくりでいいよ、とも声をかけます。
1問目は惜しくも取り逃してしまったので、2問目でリベンジです。
タイムアップが近づいてきましたが最後の最後で見事、2つの水素と1つの酸素を集めて「水」と作ることに成功しました!
思わず、チャレンジしてくれた子とハイタッチです。
次に挑戦するのは、ニュートリノを転がして穴に入れる(原子核に当てる)ゲームです。
1人2球ずつ転がすルールにして、協力してたくさん穴に入れました。
穴を狙って!ニュートリノシューター
たくさん遊んだところで、最後に動画を観ておしまいです。
宇宙船に乗ってニュートリノと追いかけっこをする巨大映像を観て、宇宙の壮大さを感じてもらえたでしょうか。
最後に、今日のツアーのまとめです。
1つ 神岡町の山の中には大きな望遠鏡があります
2つ ぼくもみんなも、ニュートリノという小さなつぶを浴びています(←これはなかなか難しい...)
3つ 神岡町の様々な場所に展示されている「光電子増倍管」はこの小さなつぶを見るための人間の「眼」の役割をもっています
挨拶をしてさよならをしようとすると、なんと、園児たちからありがとうのプレゼントをもらいました。
メッセージが書かれた手作りのお星さま
カミオカラボでは、平日に限りますが10名以上の団体ツアーを受け付けています。
大人から園児まで(!)楽しめるニュートリノのツアー、ぜひみなさんもご予約下さい。
団体ツアーの詳細はこちら
https://www.city.hida.gifu.jp/site/kamiokalab/kengaku-yoyaku.html