9月30日(土)古川町公民館
今年度スタートした富山大学和漢医薬学総合研究所と飛騨市の薬草事業連携による市民向け講座です。今回は同研究所の和漢医薬学教育センター長・柴原直利教授が講師を務め、約40人が受講しました。テーマは「漢方医学の基本的な考え方」。西洋医学とは異なる「陰陽虚実」や「気血水」「五臓」などについて解説されました。
柴原教授によると、漢方医学には陰陽論という基本的な考え方があり、生命は陰と陽のバランスが保たれることで維持しています。病を患うと生体は修復反応を示し、様々な症候が生じます。例えば陰症は低体温傾向で脈が弱くて顔色が悪く、薄い色の尿が頻回に出たりするそうですが、治療原則としては体を温め、附子(ぶし)や乾羹(かんきょう)などの生薬を使用するそうです。
また、果物は体を冷やし、豆類は体を温めるなど、陰性と陽性(中性)の食品と症候や、生体の三要素とされる気・血・水に関する治療方法、古代中国の哲学思想の一つ、五臓の失調に対する漢方治療についても紹介しました。
参加者は「これまで西洋医学に頼りがちでしたが、まず自分の体の状態をよく観察し、生活を見直したい」「体を温める食品や冷やす物など参考になることが多かった」といった感想が寄せられ、漢方や薬草に関心を持った人が多かったようです。
次回は11月18日に「和漢薬に含まれる化学成分」と題して薬用資源管理部門の當銘一文准教授が解説します。市まちづくり観光課(0577-73-7463)で40人まで受け付けています。