ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 広報ひだ > 荒廃農地に牛を放牧~市が新たな取り組みを報告

荒廃農地に牛を放牧~市が新たな取り組みを報告

印刷用ページを表示する掲載日:2023年10月26日更新

10月16日(月)古川町黒内の果樹園跡地

増え続ける荒廃農地対策として、市は8月から2か月間にわたって、地域と協同で黒内区にある広さ約2ヘクタールの果樹園跡地で試験的に牛を放牧しました。

これは昨年、北海道から黒内区に移住した獣医師の佐藤健太さんから「耕作放棄地を利用して酪農を行いたい」という相談が寄せられたため、市は住民らと協議し、国の事業を活用して放牧による「粗放的農業」に取り組むことになりました。

これを機に、同地区は荒廃農地対策のモデル地区として5年計画で土地を整備することになり、佐藤さんも来年度から新規就農予定者として山地酪農に取り組みます。整備は国の事業を活用し、牧柵などを設置する予定です。

この日は、昨年8月に放牧されていた3頭の黒毛和牛の下牧が行われ、報道陣らに粗放的農業と管理方法の説明、県内初のGPSを利用した「うしみる」という牛管理システム、また佐藤さんを交え、来年度以降の取り組みなどの説明がありました。

牛管理システムでは今回、放牧した牛2頭にアラート機能を備えたGPSを取り付けたことを報告。これにより農家の皆さんが抱える脱柵などの不安が解消し、牛の存在確認の手間が軽減されます。

また、来年度以降、佐藤さんは乳牛を放牧する予定で、すでに市と黒内区とで協定済みです。佐藤さんは来年度以降、乳牛10頭ほどを放牧し、敷地入り口付近に簡易牛舎を設け、将来は25頭を目標に放牧を予定しているそうです。

佐藤さんは「輸入飼料が高騰しているので、飼料となる牧草の心配もなくありがたい。SDGsにも貢献できます。軌道に乗ったら馬も飼い、観光牧場にしたいですね」と話していました。

また、黒内区の和田久泰区長は「耕作放棄地は管理が難しいし、獣害防止にもなるのでありがたいです」と放牧を歓迎している。

放牧される黒毛和牛3頭

放牧される黒毛和牛3頭

放牧の様子

放牧の様子