11月8日(水)神岡小学校
飛騨市認知症キャラバンメイトの皆さんが、神岡小学校の5年生児童39人を対象に「認知症キッズサポーター養成講座」を行いました。
キャラバンメイトの皆さんは、地域の皆さんに認知症について正しく学んでもらい、身近にいる認知症の人やその家族を支え、行動していただける人材を育成しようと「認知症サポーター養成講座」を行っています。2年前からは、市内の子どもたちにも認知症について分かりやすく学んでもらい、「キッズサポーター」として一緒に「認知症にやさしいまちづくり」に参画してもらおうと、児童生徒を対象にした「認知症キッズサポーター養成講座」も開催しています。今年は初めて神岡小学校で実施しました。
当日は、キャラバンメイトの皆さん5人が同校を訪問し、記憶の仕組みや認知症に関する基礎などを学ぶ座学、困っている認知症の人に「自分ならこんなことができそう」と考える学習、認知症の人への対応を実践的に学ぶ「ロールプレイ学習(役割を演じて学ぶ体験学習)」などを行いました。
最初に、飛騨市地域包括ケア課の田中かおりさんが、これからも人口における高齢者の割合は増加し続けることや、2045年の飛騨市では65歳以上の高齢者が全人口の半分を占めることなどを説明。これにともなって認知症の人の割合も増えていくと予想されると話しました。
また、ボールの入った箱を脳に見立て、健康な人と認知症の人の脳の働きの違いを説明しました。認知症は心の病ではなく、病気が原因となって脳の働きが悪くなることであり、感じる気持ちは認知症の人も健康な人と同じだと強調。失敗が増えるのでなんとか自分で解決しようと頑張っていること、周りの人から失敗を怒られたりバカにされたりすると不安で悲しい気持ちになって病気も悪化することなどを紹介し、「誰に対しても温かい気持ちで接することができるようになって」と呼びかけました。
後半は、困っている認知症の人に関する動画を見たり、自分ならどのような対応ができるかなどを考える学びを行い、まとめを発表しました。その後、キャラバンメイトの皆さんが認知症の人に扮してロールプレイ学習を実施。児童は実際に声をかけ、それぞれ性格や症状が違う人に応じた対応が必要なことを学びました。
キャラバンメイトとして参加した女性は「子どものうちから学んで偏見を持たず、勝手な決めつけをせず、困っている人の気持ちを想像して対応できるようになってほしいですね。何を助けたらいいかを身をもって体験し、具体的に分かることが大事では」などと話していました。