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大型低温重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)の現地説明会が開かれました

印刷用ページを表示する掲載日:2023年12月20日更新

​12月16日(土曜日)神岡鉱山内実験施設

東京大学宇宙線研究所は重力波を検出するKAGRAの地元関係者向けの見学会を開きました。この装置は2019年に完成し、現在、日本とアメリカが観測を続けながら感度を上げる研究に取り組んでいます。来年3月27日からはイタリアも加わり、3か国そろって観測に当たります。新型コロナ禍のため、完成後の見学会は今回が初めてです。

重力波は質量のある物体が運動すると発生しますが、観測が可能な重力波は超新星爆発のようなすさまじいエネルギーを放出する天体現象に限られるそうです。KAGRAはこの時に発生する重力波を検出する装置で、直角に交わる真空パイプの中を進むレーザー光のかすかな歪みを捉えて検出します。

この日は地元の国道工事事務所や土木事務所、商工会議所、学校関係者など約50人が参加し、同研究所重力波観測研究施設長の大橋正健教授が案内しました。

大橋教授によると、観測装置の機能を維持するため施設内は気温23度、湿度60%に保ち、装置の周りはビニールシートできめ細かく覆って天井からの漏水に備えています。このほか研究員の安全のためエアーパイプやシェルターも設けられています。

また、真空パイプ内は高い真空度をつくり出す措置を施し、パイプ内にあるサファイア鏡は熱振動を抑えるためマイナス253度まで冷やし、地面振動が伝わらないように高さ12mの防振装置を使って吊り下げるといった高度な技術が見られます。

大橋教授は「宇宙の巨大なイベントは重力が引き起こすため重力波の観測は欠かせませんが、時空の歪みが地球に届くころには大変小さな歪みになってしまうため、さまざまな工夫が施されています。その歪みは地球から太陽までの距離と同じ1億5千万km当たり、水素原子1個分ほどしかありません」などと解説しました。

終了後、参加した神岡町のGSA(ジオスペースアドベンチャー)実行委メンバー溝口純子さんは「稼働前の一般公開で1度見学し、今回は2度目。見学中、稼働を示す真空パイプのライトが点滅していたので感動しました。早く重力波検出のニュースを耳にしたい」と話していました。

見学会 集合写真

見学会 集合写真

見学の様子(1)

見学の様子

見学の様子(2)

見学の様子

見学の様子(3)

見学の様子

見学の様子(4)

見学の様子

見学の様子(5)

見学の様子

見学の様子(6)

見学の様子

見学の様子(7)

見学の様子

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見学の様子

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見学の様子

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見学の様子

見学の様子(11)

見学の様子