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全国から100人集い、ウェルビーイング・フォーラムが開かれました

印刷用ページを表示する掲載日:2023年12月11日更新

12月9日(土曜日) 飛騨市文化交流センター

「飛騨市well-being(ウェルビーイング)フォーラム」(同実行委員会主催)が、古川町の飛騨市文化交流センターで開催されました。

新しい特別支援教育や療育のモデルを飛騨市から全国へ発信しようと始まった催しで、今年で4回目。今回は、飛騨市が取り組みを進めている「学校作業療法室」についての実践の発表や、日本各地で先進的な取り組みを行っている作業療法士の皆さんなどを招いて講演、パネルディスカッションなどを実施。北海道から鹿児島まで全国各地から保護者や保育士、教員、病院関係者など約100人が参加しました。

フォーラムでは、大阪河崎リハビリテーション大学の大嶋伸雄教授、中部大学講師で作業療法士の塩津裕康さんによる講座がありました。

大嶋教授は、海外と日本とでは国民性や価値観の違いなどから、作業療法のとらえ方や学び方、期待される役割などにも違いが生じていると指摘。障がいのある人が豊かな生活を送るためには「障がいがあってもできること」「練習が必要なこと」「やればできること」に当事者自身が気づくことが大切で、その実現に向けて一緒に練習をするようなサポートが作業療法士の役割の1つだと説明しました。また、作業療法士が関われる範囲は広く、学習に困難がある子ども、高齢者、精神疾患のある人、生活に困窮している人、更生を目指している人など、それぞれに個別の適切なリハビリが必要とされており、すべての国民が社会作業療法士の対象となりうると持論を述べました。

塩津さんは、学習には気づきや成功体験が重要であり、そのためには当事者が主体的に考えたり取り組んだりする経験が必要だと指摘。「自転車に乗りたい」「きれいに化粧をしたい」といった本人の希望を、いかに実現するかが私たちの役割だと強調しました。また、同じ目標であっても、個人それぞれによって適切な取り組み方があるため、当事者の価値を尊重し、協働しながら見つけていくことが大切だと説明。取り組み方=作戦を一緒に考えながらも、「作戦名」や進め方、気づきなどを当事者の言葉で語っていくことが重要と指摘しました。

また、NPO法人はびりすの作業療法士である奥津光佳さんが、飛騨市で進めている「学校作業療法室」の具体的な取り組みについて説明しました。子どもや教員とも話し合いながら、子どもたちそれぞれの目標に向けた「作戦」を立て、その実現に向けて一緒に取り組んでいる様子などを写真や動画などで紹介。「先進的な取り組みのモデルとして、飛騨から世界へ発信していきたい」と意気込みを述べました。

パネルディスカッションでは、発達支援事業所を立ち上げての取り組みや、発達障がいのある生徒を通常の学級で一部支援する「通級指導」の取り組みの事例紹介もありました。

今年から保育士として勤務し、子どもたちの支援に取り組んでいるという古川町の井戸坂皐さんは「大人が子どもの目標を立てるのではなく、子どもが自分で目標を立て、それを一緒になってサポートすることが大切だと感じました。これから子どものためになることをしていきたいですし、また新しく頑張ろうと思いました」と感想を話していました。

フォーラム実行委員会の会長も務めた、NPO法人「はびりす」の山口清明代表は「病気のある人が豊かに生きるための工夫や支援をするという社会的作業療法のモデルづくりは、飛騨市でほぼ完成してきました。こうした地方の斬新なオリジナルモデルを全国、海外へと広げていけたら」「今日は、このマニアックな課題に取り組む人たちに全国から集まっていただきました。作業療法を社会実装するモデルづくりが終わって、今度は全国の人と実際の形にしていくきっかけになったと思います。先進的な地域の人たちと連帯し、飛騨の取り組みを地方創生の視点から形にしていきたい」などと意気込みを語りました。

発表の様子(1)

発表の様子

発表の様子(2)

発表の様子

発表の様子(3)

発表の様子

発表の様子(4)

発表の様子

発表の様子(5)

発表の様子

発表の様子(6)

発表の様子

交流の様子(7)

発表の様子

発表の様子(8)

発表の様子

発表の様子(9)

発表の様子

発表の様子(10)

発表の様子