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緊急特別企画「迫り来る地震災害 あなたはどうする?」

印刷用ページを表示する掲載日:2024年4月15日更新

4月6日(土曜日)飛騨市文化交流センター

震度5弱と飛騨市でも大きな揺れを感じた「能登半島地震」。市民の間でも大地震へ関心が高まる中、飛騨市防災士会(柚原孝志会長)は初の緊急特別企画として地震対策に関するフォーラムを開催し、市民ら約300人が聴講しました。

フォーラムは3部構成で、最初に柚原会長が「報道されない情報を含めて被災地の実態を学び、自分の命、家族や地域を守るために何をすればよいか考えてほしい」とあいさつし、続いて都竹市長が「市内でも経験したことがない揺れと、めったに災害が起きない元日の出来事でした。地震は防災訓練や水害と異なって予測できないのでよい教訓となり、日ごろの備えがいかに大切かを認識させてくれました」と述べました。

第1部は富山大学都市デザイン学部の安江健一准教授が「飛騨地方の地震と活断層」と題して講演しました。安江准教授は市の委託で令和元年から3年間にわたり市内を中心とする断層の調査に取り組まれ、今回はその調査結果と現在能登で行われている活断層の調査などに関して報告するとともに、今後想定される地震活動について解説されました。

安江教授は地震直後、滞在先の中津川市から能登へ直行し、干上がった漁港や数メートルも隆起した断層を目の当たりにし「今回の地震で能登の段丘は地震によって隆起したものであることが分かりました。今後、段丘が形成された年代を調べることで、過去に起きた地震の発生時期などが解明できます」と話しました。また、「富山県や飛騨地方には活断層が集中し、至る所にひずみが起きているため、今後、大きな地震が起きる可能性があります」と指摘しました。

また、市内の活断層として跡津川断層や牛首断層のほか太江、畦畑、数河、稲越と4か所の活断層にも言及し「稲越断層は跡津川断層と連動しているため、被害が広範囲に及ぶ可能性があります」と話していました。

第2部では東日本大震災支援全国ネットワーク代表世話人で認定NPO法人レスキューストックヤードの栗田暢之代表理事を招き、能登の被災地や避難所の実態について報道では知ることができないさまざまな問題点を紹介していただきました。今回の地震では二百数十人に上る死者が出ましたが、その多くが倒壊した古い家屋の下敷きになって命を落としたことから、家の耐震強度について把握する必要性を訴え、地震への備えや行動についても被災者から聞き取った話とともに紹介しました。

また、避難生活ではトイレなど高齢化とともにますます困難になる避難所運営のあるべき姿や、中長期にわたリ避難者を支えるノウハウを教えました。その中で被災者は自宅に戻りたくても家では生活できないと、身動きがとれない状況だといいます。そんな被災者の生の声として、栗田さんは「神も仏も希望もない。倒れた家を見に行ってもがっかりするたけ。屋敷に植えたつつじが咲くかもしれん。それを楽しみにするか」「家の中は足の踏み場もない。片付ける気力もわかん。(給付金など)何もわからん。ため息と愚痴と涙しか出ん。長生きして損したな」といった話を紹介しました。

第3部では市防災士会が家具の固定など地震対策について指導したほか、市の高見友康危機管理監が能登での市の支援状況や家屋の耐震基準などについて説明。また「跡津川地震などへの対策はこれまで通り強化します」と、今後、市が取り組む地震対策に関して話しました。

地震対策フォーラムの様子(1)

地震対策フォーラムの様子

地震対策フォーラムの様子(2)

地震対策フォーラムの様子

地震対策フォーラムの様子(3)

地震対策フォーラムの様子

地震対策フォーラムの様子(4)

地震対策フォーラムの様子

地震対策フォーラムの様子(5)

地震対策フォーラムの様子

地震対策フォーラムの様子(6)

地震対策フォーラムの様子