館内に入ってまず出迎えてくれるのが巨大な半円筒状のスクリーンです。
このスクリーンでは、スーパーカミオカンデの内部をフルCGでリアルに再現。巨大な水槽が実験に使うための純水で満たされる様子や、ニュートリノの突入により光センサーが明るさに応じて反応する様子を大パノラマで見ることができます。
また、スクリーンの前での記念撮影も可能。通常は入れないスーパーカミオカンデの内部に立っているような写真を撮ることができます。
長い年月をかけて作られたスーパーカミオカンデ。奈良時代から鉱山として機能していたため、強固な岩盤があったことや、豊富な地下水に恵まれていたこと、スーパーカミオカンデの完成に必要不可欠だった日本企業の優れた技術を紹介しています。
特に、静岡の浜松ホトニクスが手掛けたスーパーカミオカンデ内部の光センサーの模型は必見!実際と同じ材料・取り付け方で忠実に再現されています。
ニュートリノは原子よりはるかに小さく軽い素粒子の一つ。
こちらでは、自分がミクロの世界に入り、原子と原子をくっつけて物質を作るゲームにチャレンジします。画面に映るいろいろな原子を組み合わせて、水や塩などさまざまな物質を作ってみましょう。
この展示では、黒い壁を突き抜けていく不思議なボール・コースターを通して、どんな物質も簡単に通り抜けてしまうニュートリノの性質を学ぶことができます。
ニュートリノは、私たちの体を1秒間に数百兆個通り抜けている幽霊のような素粒子なので、観測がとても難しく、スーパーカミオカンデでは大量の超純水を溜めることで、ニュートリノを受け止めようとしているということが分かります。
どんなものも通り抜けるニュートリノですが、水中ではまれに水分子にぶつかることがあります。
このゲームでは、水分子を構成する原子の原子核(ゲーム盤の穴)をめがけてボール(ニュートリノ)を打ち出し、うまく穴に入るとスーパーカミオカンデ内で光るチェレンコフ光のように放射線状の光が点灯します。
楽しくボールを打ち合いながら、ニュートリノが水にぶつかって、放たれた光を観測するしくみを学びましょう。
ニュートリノは電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノと3種類あります。宇宙から地球にやってくる間、その種類がほかの種類に変身してしまうことがあります。
これを「ニュートリノ振動」といい、この現象を発見した梶田隆章博士はノーベル物理学賞を受賞しました。このゲームでは、宇宙から飛んでくるニュートリノのうち、「タウニュートリノ」だけをすばやくタッチして得点を競います。
ゲーム上のニュートリノも途中で姿を消したり、違う種類のニュートリノに変身したりしてしまうので、ほかのニュートリノをタッチして減点されないようにしましょう。
神岡には、たくさんの宇宙研究施設があり、世界屈指の宇宙研究の拠点として知られています。
展示されている神岡鉱山の模型の中を覗いてみると、スーパーカミオカンデをはじめ、カムランドやXMASS、KAGRAなどを見つけることができます。
スーパーカミオカンデがどれほど地下深くにあるのかということや、重力波を捉えるKAGRAの内部構造などを学びましょう。
ニュートリノに関する展示を見て回った後は、2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田博士のパネルと握手して記念撮影!
このコーナーでは、スーパーカミオカンデで働く研究者になりきって、リアルタイムでニュートリノをモニタリングすることができるほか、366日分のデータから自分の誕生日のニュートリノを探すことができます。
また、研究に関する質問BOXが設けられており、神岡での宇宙研究についての質問を書いて入れておくと、カミオカラボのスタッフや研究者がその疑問に答えてくれます。
出口前には「むすびば」と呼ばれるワークショップスペースがあります。
常勤しているサイエンスコミュニケーターが時々ミニ講座を行うほか、科学についての質問にも答えてくれます。
このスペースでは、ニュートリノの紙芝居やニュートリノに関する資料も見ることができるので、知識を深めながら、意見交換をするのもいいですね。人と科学、人と人とが繋がる場所として、ぜひ活用してみてください。