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はやぶさ2と神岡町とロボットと

印刷用ページを表示する掲載日:2019年4月5日更新

こんにちは!カミオカラボのサイエンスコミュニケーター高知尾です。

カミオカラボはあっという間に開館から1週間以上が経過し、すでに3000人を超える方々にご来館していただいております。

 

カミオカラボでは、ご来館される皆さんにより科学を楽しんでもらえるようこれからさまざまな企画を行なっていく予定です。その最初の試みとして、4月5日に館内の「むすびば」というコミュニケーション・スペースにてパブリックビューイング(ライブ中継)を行いました。

 

上映したのは小惑星探査機はやぶさ2による小惑星リュウグウでのクレーター生成実験です。

リュウグウは、現在地球から約3億km(太陽までの倍!)と遠方にある小惑星です。初代はやぶさが探査したイトカワとはタイプの異なる小惑星で、地球の生命をつくる素となった有機物や水が今でも残されていると考えられています。

 

それでも、リュウグウの表面は宇宙空間の太陽風や宇宙線による影響で変成している可能性があるため、今回はクレーターを掘って内部の状態を探査します。はやぶさ2はリュウグウに高度500mまで近づくと、衝突装置を分離し銅の塊を打ち込んで人工クレーターを作成します。

 

実は、この衝突装置の地上実験はなんと飛騨市にある神岡鉱山で行われたのです。

この時の実験は成功し、直径2〜3mのクレーターができたということですが、地質が全く未知のリュウグウで果たしてどんなことが起きるのか、興味津々です。

 

当日は、カミオカラボでもこんな感じではやぶさ2の活躍を見守りました。

パブリックビューイングの様子

ちなみに、テーブルの上にあるのは前夜につくったリュウグウの模型です。

さて、パブリックビューイングにはお孫さんを連れた地元のご夫婦に参加していただけました。はるか遠くで自ら判断して観測結果を地球に送ってくるはやぶさ2に感情移入しちゃいますね、と盛り上がりました。

 

冒頭で触れたように、はやぶさ2は地球から3億km以上離れているため通信に片道17分かかります。そのため、機体の制御を数分単位で判断しなくてはいけない状況では、その都度地球から命令を送るというのでは間に合いません。そのため、はやぶさ2は衝突装置の分離を始め、あらかじめ組み込まれたプログラムに則って現場で自ら判断します。

 

例えば、衝突装置は分離から40分後に衝突体を打ち込むために爆発するように設定されていましたが、万が一、はやぶさ2から衝突装置がうまく分離できなかった場合、そのままだとはやぶさ2自身がとても危険です。そのため、はやぶさ2には専用の太陽電池を装備し、これをセンサーとして分離予定後も太陽光が当たらなかった場合は分離に失敗したと判断して爆発を中止するようにプログラミングされているそうです。

 

このように、はやぶさ2は状況を自らセンサーで読み取って、コンピューターで判断して、動作を実行するという意味ではロボットの一種です。

 

もしかしたらそこに人間らしさを見出し、私たちは共感するのかもしれません。

 

さて、実は先日からカミオカラボにも新しいロボットが仲間入りしました。

 

カミオカラボで新しく仲間になったのはこのロボットです!

ルンバの画像

そうです。iRobotのルンバです。

毎日開館前に起動し、カミオカラボの中をくまなく動き回り、スタッフの掃除の手伝いをしてくれます。

 

4時間ほど頑張ってくれた後にダストボックスを除くとなんと5cm以上ある大きなホコリの塊が出てきました!これでより綺麗なカミオカラボとして、皆さんをお迎えすることができそうです。

 

今回のパブリックビューイングは事前にホームページ上でお知らせすることができませんでしたが、今後はホームページの「イベント」の項目でもお知らせしていきますので随時チェックしてみてください!

 


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