10月23日(日曜日)飛騨かわい地歌舞伎小屋
河合町で古くから続いている地歌舞伎の文化を後世へ伝えている「飛騨市河合町歌舞伎保存会」(大下哲矢会長)が、河合町角川の角川体育館内にある「飛騨かわい地歌舞伎小屋」で恒例の地歌舞伎公演を行いました。
御目見得口上の後、河合小学校の児童が、歌舞伎の特徴や今回の演目の見どころを紹介。また、今回は地元の中学生が主役を務めた他、脇役なども含めて5人が舞台に立つなど、次世代を担う子どもたちが活躍しました。
今回の演目は『青砥稿花紅彩画 浜松屋店先の場』。盗賊・弁天小僧菊之助が扮した美しい武家娘「早川主人の娘・お浪」と、同じく悪党の一味である南郷力丸が騙る従者「四十八」を、呉服屋・浜松屋の番頭や手代らは言われるまま丁重に迎え入れ、婚礼支度の良品を見せていく。やがて、お浪が万引きしたのを見たと、店の者たちが、お浪と四十八を袋叩きにするが、四十八は万引きは間違いだと証拠を見せつける。何らかの企みを持つ同じ一味の日本駄右衛門が騙る黒頭巾の武士「玉島逸当」が正体をばらしてしまうが、2人は開き直った口上で店を脅し、まんまと詫びの金を手に入れるというあらすじ。
演じた皆さんは白塗りの歌舞伎化粧をほどこし、さまざまな舞台衣装に身をつつんで、それぞれの役柄を熱演。特に主役の中学生2人は、自分たちで考えたセリフで場面をつなぐなど積極的に参加したそうです。役者がポーズを取って見得を切るたび、会場からは盛大な拍手が送られました。
終了後、弁天小僧を演じた佐々木伊織さん(古川中3年)は「小学5、6年生の時は歌舞伎を体験しましたが、中学1、2年では挑戦する機会がなく、久しぶりで緊張しましたが、舞台では楽しくできました。拍手をもらえると、やっていて良かったなと思え ました。やりがいがあるので、今後も楽しみながらやりたいです」と意気込みを話しました。
南郷力丸を演じた土田庵斗さん(古川中3年)は「やり終えて安心しています。拍手や笑い、歓声をもらったり、役になりきれた感覚があって気持ちよかったし、まだ余韻が残っています。中学1、2年ではできず、不安はあったけど、声をかけてもらえて嬉しかった。楽しいし、ここにしかない気持ちよさがあるので、今後もやっていきたいです」と思いを話しました。