12月4日(日) 古川町公民館
近年、市内でも被害が出始めたシカとハクビシン対策について、愛知県農業水産局農政部農業振興課の辻井修さんが指導しました。研修会では野生鳥獣対策の歴史も学び、江戸時代でも藩を挙げてイノシシやシカ撲滅作戦が行われたこと、また温暖化をはじめ狩猟者や農業従事者の減少など地域活力の低下によって、90年代以降被害が急速に拡大したことなどが紹介されました。
辻井さんは被害防止の基本として「寄せない」「入れない」「捕まえる」を三本柱として掲げ、休耕地の刈り払いや野菜くずの放置、柵の設置、ワナによる捕獲などを映像を交えて紹介。また、個人では限界があるため地域ぐるみの活動を呼び掛け、被害状況や鳥獣のこん跡などを地区で情報共有することを提案していました。食欲旺盛なシカ対策では稲の“ひこばえ”が好物であるため、水田の電気柵は霜で枯れるまで通電すること、収穫直後に耕起することなどを勧めていました。
一方、ハクビシンはトマトやイチゴなど甘い物を好むため、野菜くずを畑などにまいたり、放置しないこと、また、家屋や倉庫の床下、天井裏など6~10cm程度の小さな隙間でも侵入してすみ着くことがあるため注意を呼び掛けました。ワナは小型の箱ワナを用い、春に子供を産むため11月頃までに仕掛けるよう勧めていました。また、参加者の質問に答える形で「忌避剤は根絶できないので、出入り口になるような隙間を徹底的にふさいで対処することが効果的です」と話していました。