4月23日(土曜日) 宮川町種蔵地区
宮川町の「種蔵を守り育む会」(幅雅久会長)が4月23日、種蔵地区の棚田にイノシシなどの獣害防止柵を設置しました。全国でも珍しい同地区の石積みの棚田は日本の原風景であり、飛騨市の大切な観光スポットですが、同会はその美しい光景を後世に残そうと住民と一体となり、活動を重ねています。
種蔵区長の荒谷勇さんによると、イノシシの被害は餌のミミズを捕食するため土を掘り起こしたり、収穫間近になったそばの実を食い荒らし、棚田を囲むように積まれた石も崩してしまうなど深刻だそうです。
豪雪地でもある宮川町は毎年秋に雪囲いなどの冬支度を行いますが、その際、獣害防止柵も取り外して翌年春、再び設置しています。棚田では米やそばなどを栽培しますが、今回は周囲約600mのそば畑の周りに鋼材で作った柵を張り巡らせるという大掛かりな作業です。この日はメンバー13人のほか、岐阜大学の学生4人も加わり、汗を流しながら農業や山村の暮らしについて学びました。
幅会長は「獣害防止柵のほか、草刈りや冬支度など作業はいろいろあり、集落を維持するということは住民や会員の力だけでは大変です。コロナ禍のためボランティアの皆さんとの交流会を開くことはできませんが、多くの理解者が居ていただけるお陰で計画通り作業が進みありがたいです」と話していました。
また、岐阜大学から参加した井上元貴さん(3年)は「棚田では機械がほとんど使えず手作業が多いので、助け合いという住民同士のつながりの必要性がよく分かりました」と話していました。