ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 広報ひだ > 異分野の研究者が、さまざまな話題でトークを繰り広げました

異分野の研究者が、さまざまな話題でトークを繰り広げました

印刷用ページを表示する掲載日:2023年8月21日更新

8月19日(土曜日) 神岡町公民館

東京大学社会科学研究所の玄田有史所長と、東京大学宇宙線研究所重力波観測研究施設の大橋正健施設長による対談「希望学×宇宙物理学 2つの異なる分野が出会った時、新たな世界が広がる」が、神岡町公民館で行われました。

「地域社会」と「宇宙」という、全く異なる学問の分野の第一線で活躍している2人の研究者が、それぞれの立場から意見を述べながら、共通する「希望」について考えてみようという試み。同様の対談は2014年にも行われており、大変好評だったことから再び開催したそうです。

​玄田さんは「『希望』がもたらすものとは」を、大橋さんは「『KAGRA』が解き明かすものとは」をテーマに掲げましたが、対談は参加者を巻き込みながら、今昔の若者言葉や「待つ」ことについてそれぞれの考えや思い、地域活性化への持論など多岐にわたりました。

玄田さんは、現代の人は「待たされる」ことに過敏に拒否反応を示すようになり、待つのが苦手になったという指摘があると紹介。じっくり何かをしようとすると「早くしなさい!」「今すぐ何とかしなさい!」と急かされ、「待つ」のが大変な時代になったとしつつ、「一生懸命に待つ」ことは、実は非常に大事なアクション=行動だと強調しました。

大橋さんはこの指摘を受け、「観測はひたすら待つ作業。次の、さらに次の人たちに研究を託すために待つ。決して受け身ではない」と体験をもとに話しました。会場を訪れていた東京大学宇宙線研究所長の中畑雅行さんも「小柴先生がおっしゃったように、待った後にしっかり結果が出るようにしておかないとダメだと思う」と持論を述べました。

また、玄田さんが「難しいことを無理に分かりやすく言うのは、嘘を言うことと同じ。分かったように話すのではなく、分からないままで良いのでは」と指摘すると、大橋さんは自身の体験を振り返り「メディアから『分かりやすく説明を』と言われても、内心『そんなことできるか!』と思うことがある。せっかく説明しても、掲載された記事を見て(見当違いに)愕然とすることもある」といった内幕も紹介。軽妙なトークで会場を沸かしました。

人口減少の時代に地域を衰退させないためには、話題となる小ネタを出し続けることが大事だという「Knt(小ネタ)理論」を玄田さんが披露すると、大橋さんは「小ネタを思いつく人はたくさんいるけれど、それを『やりましょう!』と後押ししてくれる人も必要です」と補足。ときおり脱線しながらも、それぞれの立場から意見を述べ、来場者にメッセージを伝えました。会場には約30人が訪れ、熱心に質問する人もいて催しは盛り上がりました。

「サイエンスカフェ」などの催しにも足を運んでいるという高山市の岩野智子さんは「今日の話を聞いて、地域が衰退するか盛り上がるかは、いろんな話題に興味を持って人が来てくれるかどうかが大事だと思いました」「神岡に最先端の施設があって、すごい先生方の話を直に聞けるのが嬉しいです。お二人の話を聞けたことや、いただいたサインを帰って自慢したい。機会があれば、また来たいです」と喜んでいました。

 

対談の様子(1)

対談の様子(1)

 

対談の様子(2)

対談の様子(2)

 

対談の様子(3)

対談の様子(3)

 

対談の様子(4)

対談の様子(4)

 

対談の様子(5)

対談の様子(5)

 

対談の様子(6)

対談の様子(6)

 

対談の様子(7)

対談の様子(7)

 

対談の様子(8)

対談の様子(8)

 

対談の様子(9)

対談の様子(9)

 

対談の様子(10)

対談の様子(10)