10月14日(土)神岡町・船津座多目的ホール
小説家で科学にも造けいが深く、東京大宇宙線研究所の重力波望遠鏡KAGRAの命名委員長も務めた小川洋子さんによる朗読会が開かれました。会場には、作家ならではの思いのこもった朗読が聴けるとあって、多くの市民らが詰め掛けました。
朗読は代表作の一つ「博士の愛した数式」など2作品です。参加者は美しい文章で描かれた人のやさしさや温もりあふれる小川洋子さんの世界観と、ゆったりした小川洋子さんの語り口にうっとりと耳を傾けていました。
朗読会の後、小川さんと重力波観測研究施設長・大橋正健教授との対談が行われ、小川さんが作家になったきっかけや宇宙の神秘と言葉が放つ魅力などについて語り合いました。
文学が好きで若い頃から作家を目指したという小川さんは「どんな仕事をしても、小説を書き続ける人生を送りたいと思っていました」と振り返りました。
また、小川さんは純水を張った巨大タンクに降る粒子の謎を探る、宇宙ロマンの話を引き合いに出し「心のタンクに飛び込むものを拒まず、何でも受け止めていれば、チェレンコフ光のような光を放つ言葉が見つかります」と話しました。
神岡町の朗読サークルのメンバー、近藤令枝さんは「小川さんの朗読は間が取れて、わかりやすかった。きれいな声なので聞きやすく、作家なのに理系の勉強もされていてすばらしいと思いました」と話しました。