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戦場カメラマンの渡部陽一さんの講演会を開催

印刷用ページを表示する掲載日:2023年10月17日更新

10月15日(日曜日)飛騨市文化交流センター

ルワンダ内戦やイラク戦争、アフガニスタン紛争など世界各地で頻発するさまざまな戦争、紛争地帯の最前線を写真で伝える活動を続けている戦場カメラマン・渡部陽一さんの講演会「戦場からのメッセージをあなたに~ファインダー越しに見た命の現場~」が、飛騨市文化交流センターで開催されました。

飛騨市では、今年度の重点的な取り組みとして「平和のまちづくり」をテーマの1つとしており、今回はその一環として、生涯学習の学びの場である「飛騨市民カレッジ」の特別講座として企画されました。講演会を前に登壇した都竹市長は「私たちの生活は、経済的にも文化的にも社会的にも世界と結びついています。私たちの暮らしと平和は非常に関係が深いんだという思いを皆さんに改めて持っていただいて、平和の意識づくりにご協力いただければ」などとあいさつしました。

渡部さんは大学生のころ、授業で知ったムブティ族の人々と直接会って話したいと向かったアフリカで、ルワンダ内戦の一端にふれ、少年兵や傷ついた子どもたちに出会ったことで「この現実を広く伝えたい」と思ったと説明。複雑な現実は、言葉ではなかなか伝わらず、「子どものころから好きだった写真で現実を伝えようと戦場カメラマンになった」と経緯を紹介しました。

戦場では、道路や線路などの社会インフラや、病院や学校といった命を守る現場が必ず標的になると指摘。戦場では弱い存在、特に子どもたちの命が今この瞬間も危険にさらされており、「こうした子どもたちの声を広く皆さんに届けられる写真を残していきたい」「戦地の子どもたちから、よく日本の子どもたちのことを尋ねられた。日本の子どもの声を届ける架け橋になりたい」と強い思いを語りました。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのパレスチナ・ガザ地区侵攻についても、その歴史的背景などを説明し、私見を述べました。

舞台上を動き回りながら、大きな身振り手振りと、ゆっくりと噛みしめるように話す独特な語り口に、来場者はじっと聞き入っていました。

質疑応答では、過酷な戦場でトラブルやアクシデントに見舞われることを察知したり回避するノウハウについて問われ、渡部さんは「戦場では絶対に1人では動かない。その地で生まれ育った戦場のガイド、その地域ならではのアクセントを使いこなせる通訳、身を守ってくれるセキュリティの方と最低でも4人で行動します。たとえ何十回とそこへ来ていても、必ずガイドの助言にしたがいます。取材を欲張らないこと、退く勇気を持つことが大事」「ナイフやロープの使い方というより、そこで何千年と暮らしてきた皆さんに支えられ、その生活に寄り添わせていただいている、お邪魔しているという姿勢が僕の危機管理の仕方」などと答えていました。

神岡町の房村裕一さんは「実際に取材した方の生の話は、良い意味でも悪い意味でも、テレビで見るより生々しくて、戦場へ行った方ならではの話を聞けました。想像していたのと違って、話し方が素敵でした。楽しく聞けたし、ぐっとくるものがありました。質疑応答が1つだけだったのが残念でしたが、すごく良かったです」と感想を話していました。

講演終了後は、「平和コンテスト」として募集した絵画や短歌の入賞作品を紹介。ホワイエでの作品展示もあり、来場者は見入っていました。

渡部陽一さんによる講演

渡部陽一さんによる講演

都竹市長のあいさつ

都竹市長のあいさつ

講演会の会場の様子

会場の様子

講演会の様子(1)

講演会の様子

講演会の様子(2)

講演会の様子

講演会の様子(3)

講演会の様子

平和コンテスト発表の様子

平和コンテストの発表の様子

平和コンテスト展示会場の様子(1)

平和コンテスト展示会場の様子

平和コンテスト展示会場の様子(2)

平和コンテスト展示会場の様子