6月10日(土曜日)古川町・朝霧の森ほか
市の薬草事業と東京都の一般社団法人・和ハーブ協会による初コラボイベント「飛騨和ハーブDay」が10日に古川町で開かれました。午前は同協会代表理事の古谷暢基さんと副理事長の平川美鶴さんを招き、飛騨市薬草ビレッジ構想推進プロジェクトが黒内地区の朝霧の森で「和ハーブ観察会」を催しました。
和ハーブとは江戸時代以前より親しまれてきた日本の有用植物の総称です。広大な朝霧の森には薬草などさまざまな和ハーブが自生するほか、観察用に整備された薬草壇もあります。
この日は市内外から30人が参加し、2班に分かれて遊歩道を2時間ほど散策。有用性のあるクズやゲンノショウコ、美しい花を咲かせるイカリソウ、利用価値の高いカキドオジ、和のヘーゼルナッツと呼ばれるおいしい実をつけるツノハシバミ、薬効が高いと韓国で大人気というコシアブラなどを観察しました。
森に入ると、古谷さんは「朝霧の森は和ハーブの宝の山。話し出すと止みそうにありません」と目を輝かせました。ギボウシとも呼ばれるウルイを見つけると「そもそも薬草は毒の成分が含まれているので薬になるわけですが、ウルイは猛毒なバイケイソウにそっくりですので気をつけてください。バイケイソウは葉の中央にウルイのような太い葉脈がありません」など薬草の見分け方も教えました。
また、カツラの群生地を案内した平川さんは「若葉の頃は香りがありませんが、紅葉すると芳香を放ちます。お香やお菓子の材料にもなります」と話し、参加者はさっそく足元の落ち葉を拾って「あまーい♪ 焼き芋の香りがする」などと目を見開いて大きな声を上げていました。参加した関市の佐藤潔さんは「山菜のコシアブラが韓国で大人気の薬草と聞いてびっくり。並木道に見られるカツラは、その芳香成分でシャーベットやケーキが作れるのですね。いろいろ勉強できてよかったです」と笑顔を見せていました。
観察会の後、会場を市役所大会議室に移し、古谷代表理事による「飛騨の足元のたからもの~古くて新しい和ハーブの再発見」と題して講演会が開かれ、約40人が受講しました。