5月26日(日曜日)神岡公民館
昭和20年代、神岡鉱山の労働者で結成されたビッグバンド「神岡マイン・ニュー・アンサンブル」で、当時トロンボーン奏者として参加していた西村久さん(81=神岡町栃洞出身=愛知県在住)の凱旋コンサート&トークショーが神岡町公民館で開催され、市民ら約300名が参加しました。
同バンドは、昭和34年の第2回日本産業音楽祭に初出場し、最優秀賞を受賞。13年連続最優秀賞という栄誉を収められました。
西村さんは、中学生で同バンドに一時所属し、代表の林正輝氏に指導を受け、その後国立音楽大学に進み、プロのミュージシャンとなり、ダン池田とニューブリードにも所属し活躍されました。現在は愛知県でトンボ玉工房を経営しながら、東海地区のアマチュアバンド等にも参加し、活動されています。
80歳を過ぎた西村さんは昨年、故郷神岡に帰郷され、個人的に神岡町内各所で演奏していましたが、この度、飛騨市の20周年記念事業として、地元住民が実行委員会を組織し開催。西村さんの故郷への恩返しを込めたコンサートとなりました。
コンサートは、3部構成で行われ、1部では西村さんが所属する「Jazz Heats Orchestra(各務原市のビッグバンド)」の演奏。聴き馴染みのある曲など9曲を披露し、会場を盛り上げました。
2部では、神岡の音楽についての紹介があった後、西村さんと、同アンサンブルについて書かれた「鉱山のビッグバンド」の著者、小田豊二さん、さらに当時同アンサンブルに所属していた黒川修三さんによる想い出のトークショーも行われました。当時のエピソードや心境などがユーモアたっぷりに紹介され、来場者は熱心に耳を傾けました。
3部では西村さんの凱旋コンサートとして、西村さんがステージ中央に立ち、2曲を演奏。故郷に恩返しをしたいという西村さんの思いが音に伝わり、とても温かい雰囲気で幕を閉じました。
西村さんは「神岡の皆さんにこんなに歓迎してもらえると思わなかった。これまでいろいろなステージをやってきたが、こんなに感激したステージは初めて。このご縁をきっかけに、コンサート形式ではなくても少人数で車座になってお喋りしながら演奏会をまた神岡で行いたい。今回、とても多くの方に関わっていただき、一生感謝したい。ふるさとってのはこんなにあったかいんだなと感じた」と笑顔で話しました。