6月9日(日曜日)古川中学校体育館
市総合防災訓練が行われた9日、新たに開発された災害用間仕切り(試作品)のデモ展示が行われ、避難所の開設、運営の訓練に参加していた防災士や市職員の皆さんが見学に訪れました。
大震災が相次ぐ中、多くの避難所では大量の資機材の運搬に汗を流す方々が見えます。というのも避難所となる公民館や体育館は手狭なため、常時保管しておくことが難しく他所から運び込まなければならないからです。
そこで柏木工株式会社(関ひろみ社長)は、普段は内装壁として利用でき、災害の際は壁から取り外して簡単に組み立てられる「災害用間仕切り」を開発。
同社古川工場で生産された地元スギ材を使った商品で、折長段ボール株式会社が製作した「段ボールベッド」や重澤製畳店の「畳マット」、断熱シートなども間仕切りのパネルと一緒に収納できように工夫されています。
この日、会場を訪れた皆さんは同社取締役建材事業部長で古川工場長の井之口泰幸さんから使い方を教えてもらい、L字型やT字型、十字連結など思い思いの形にパネルを組んで“部屋”を作りました。また、段ボールベッドや畳マットも組み立てて使い心地を確かめていました。
会場には、訓練の様子を視察に訪れていた清流の国ぎふ防災・減災支援センターのコーディネーター・岩井慶次さんも訪れ「防災用具を屋外へ取りに行くのは震災状況によって困難な場合もあります。間仕切りはスギ材なので温かみがあり、内装材として塗装もできます。3枚重ねで収納できるという工夫も見られ、よく考えられています」と評価しました。
参加者からは「組み立てた段ボールベッドの隙間にペットボトルを並べれば水も保管できるし、ベッドも固定できますね」「段ボールベッドは思った以上に頑丈。畳マットを裏返してベッドの上に置けばテーブルにも早変わり」と、さまざまなアイデアや意見が出ていました。
井之口さんは「パネルはロータイプからプライバシーを守れるハイタイプまで3種類あります。ロータイプは見守りの観点から被災者の様子が分かりますが、遠くからは内部が見えないので安心です。レイアウトは自在なのでいろいろなタイプの部屋が作れます」と。
また、同社の関ひろみ社長は「能登や台湾など相次ぐ震災をきっかけに製作しました。当社は住宅産業なのでマーケットは異なりますが、新しいアプローチになると期待しています。今回は試作品ですので、この後、皆さんからいただいた意見も取り入れ、年内には完成させたいと思います」と話していました。