6月25日(火)、26日(水) 市内小中学校や体育館など
災害時、下水道につながるマンホールの上に設置して使用できる簡易的なトイレ「災害用マンホールトイレ」の説明会が、古川小学校や古川中学校、神岡中学校、山田体育館などで行われました。
災害時には断水や停電などでトイレが使えなくなったり、不特定多数の被災者が集まる避難所のトイレが大変混雑する場合があり、災害時のトイレの確保が被災者にとって深刻な問題となることが指摘されています。「災害用マンホールトイレ」は、マンホールさえあれば簡単、迅速に設置でき、そのまま下水道へ流すことができるため、近年注目されているそうです。
ただし、マンホールは道路上にあることが多く、簡易トイレを道路上に設置するわけにはいかないため、飛騨市は2年をかけ、避難所となる古川町内と神岡町内の小中学校や体育館、古川消防署など市内10ヵ所を対象にこのトイレを使えるよう整備し、計126基を設置できるように体制を整えました。
トイレは、男性小便器用と男女共用型の2種類を用意。いずれも人手が2人あれば、初めてでも10分ほどで組み立てられるよう考案されているそうです。
小便器は、キャンプ用のタープなどを屋根に用い、1基につき簡易的なものが4つ設置でき、子どもや大人など使う人の身長に応じて高さが変えられるようになっています。実際に設置するときは、目隠し用の覆いがされる予定です。
男女共用型は、洋式の便座を採用し、テントの中に設置されます。テントの出入口には、外側からは非常に開けづらいチャックが採用され、犯罪やプライバシー侵害から利用者を守る措置が講じられています。使用した後は、汲み置きの水などで流すことになります。
また、専用のマンホールの中には川や側溝などから水を引いて貯めてから使用するようになっています。水を貯めることで臭いを軽減したり、内部への便の付着を防止する他、開栓した時の排水の勢いで貯留物も一緒に下水道へ排出する構造になっています
この日は、飛騨市が採用したマンホールトイレの製造販売を行っている東京都の株式会社ニード営業係長の堀裕道さんを招き、マンホールトイレの設置や使用の方法などに関する説明会を開催しました。避難所となる小中学校の教職員や体育館の施設管理者など、実際に運用する可能性の高い立場の皆さんが参加。適切な設置、利用方法の説明に耳を傾けたり熱心に質問をしていました。
飛騨市防災士会のメンバーでもある古川小学校の上口淳校長は「今日の説明で、実際にどう活用されるのかが良く分かりました。使わなくていいことを願っていますが、いざという時には知っているか知っていないかで動き方に大きな違いが出てきますので、今日学んだことを生かしていきたいです。実際に使うところまで体験する機会がもてるといいですね」と話していました。