8月25日(日曜日)飛騨市文化交流センター
テレビアニメなどで活躍するプロの声優による「憧れの声優体験会」が開かれ、市内の高校生らが発声の基本を学び、リハーサルから本番までステージでの実践を体験しました。
この催しは飛騨まんが王国で長年、夏季合宿を行う大手声優事務所「賢プロダクション」(東京都)の付属養成所スクールデュオの講師や卒業生らを講師に行われたもので、今回は市内の中高生ら5人が受講しました。
講師は人気アニメ「プリキュア」シリーズなど数多くのアニメ作品や海外映画の吹き替えなどを務める生天目(なばため)仁美さんら3人。体験会に先立ち、声優になったきっかけなど講師のトークに耳を傾けました。
生天目さんは「声優で生計を立てるには運もありますが、チャンスをつかむ努力は大切です。夢を描き、夢に向かって何をするかよく考えましょう。私という人間を多くの人に知ってもらうことも大切です。1日10分くらいは考えてみてください」などとアドバイスしました。
この後、受講生は腹式呼吸による発声の仕方を練習し、ステージへ。お芝居の配役を決め、出番になるとそれぞれマイクまで移動して手振り身振りを加えながらセリフの練習をしました。繰り返しリハーサルを行った後、講師から「収録時は足音もマイクが拾うので気を付けて」「声優といえども動きは大切。キャラクターを自分で作り上げてもいいので、少しアクセントを加えてください」などとアドバイス。
本番を終えると、拍手が送られ「少しの練習で随分変わりました。何度もやるうちに、ステージの楽しさがこちらまで伝わってきました。今日の体験を是非生かしてください」とエールを送りました。
続いて講師の女性3人に男性2人が加わり、プロによる「朗読劇」が行われました。作品は河合町に伝わる「止利仏師物語」と、宮沢賢治作「蛙のゴム靴」ほか。会場には受講生のほか多くの市民が訪れ、表現力豊かなステージをじっと見入っていました。
受講生の一人、舞台俳優を目指している高校2年生の参加者は「初対面の人が多くて緊張したけど、慣れてくるとセリフや演技を工夫できるようになりました。声優になったきっかけなどのお話を聞いて『夢って大事だな』と思いました。やりたいことをできる人生って楽しいんだって、改めて思いました」。
また朗読劇を観賞した後、「プロの方は声と身振り手振りだけで役になり切ってすごいと思いました。声の出し方や声色だけで一人何役もこなし、役になり切るギャップもすばらしかったです」と話しました。