3月8日(土)市役所と古川町市街地
人口減少や生活スタイルの変化が及ぼす町並み景観保全など、市が抱える課題に取り組む新潟大、大阪大、立命館大の学生らによる研究成果発表会が開かれ、住民ら約60人が参加しました。
この発表会には昨年度、マイプロジェクト(地域学習)の一環で大学生と活動を共にした古川中の生徒たちも参加。「飛騨古川まちなみ未来編集部」と名付けた活動内容の発表ほか、街歩きガイドとして古川町の市街地を参加者と散策し、未来に残したい町並みやスポットを紹介しました。
大学生らは「町並み景観」「地域コミュニティー」「広葉樹」「移住」というキーワードを基に、それぞれ2年間にわたる研究成果を発表。
その一つ、「町家の用途転用に伴うミセ空間と前面道路のつながり」をテーマに弐之町商店街で行った調査では、資料が残る1986年と比べて調査対象25軒のうち新規店舗6軒、仕舞屋(しもたや)12軒ほか、7軒がガレージに転用していることが分かりました。
このうち仕舞屋の多くは伝統的な町家様式を取り入れた住宅にリニューアルされ「地域としての魅力を阻害する要因となることなく、町並み景観との調和が図られている」と指摘。また、新規店舗に関しては「改修前の店舗の開口部を残すことで、人通りを保つことができている」といった発表がありました。
このほか少子高齢化のため、町並み景観をどう継続するかという課題に着目した研究では、古川中のマイプロジェクトなど「子どもを主体としたまちづくり活動」について紹介。また広葉樹のまちづくりや、活発なコミュニティー活動など移住者の適応促進に向けた対策についても紹介されました。
この後、新潟大の学生が制作している町並みガイドブック『飛騨古川・タウントレイル3~「そうば」と町並みを読み解く』の素案についても発表。古川に根付く互いを思い合う共通認識である「そうば」を身近に感じてもらうことで、町並みを継承してほしいと願いが込められた内容となっています。
参加者からは「外部資本の流入から社会的財産である古い町並みを守るため、どうすればよいか」という質問があり、これに関し「新たなガイドラインの策定が必要だ」といった考え方が示されました。