6月29日(日曜日)カミオカラボ
カミオカラボでは毎年来館者に向けて研究者トークを開催しており、今回は東京大学宇宙線研究所の宮川治准教授が「重力波検出器KAGRAが再開」というテーマで講演されました。
大型低温重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)は、神岡町にある神岡鉱山の地下に建設された重力波望遠鏡で、ブラックホールの合体などによって生じる時空のゆがみ「重力波」を検出することで、宇宙の研究を進めています。
KAGRAは、能登半島地震の影響により観測を一時中断していましたが、6月から観測を再開しました。講演では、「重力波とは何か」「どのように検出されるのか」、そして「KAGRAがどのように再開に至ったか」について、一般の方にもわかりやすく、丁寧な解説が行われました。
地震の影響で観測装置にいくつかの不具合が発生し、特に鏡の部品が脱落したことが大きな原因でした。修理と調整を行い、感度を高めて観測を再開しました。
また今後は、次期観測に向けてメインの鏡の交換やレーザーパワーの増加などを予定しており、「簡単ではないが、やるべきことを確実に一歩ずつ」と語られました。
参加者は「重力波のような目に見えない現象を捉えて、可視化するのは本当に難しいことだと感じました。こうして研究してくださる方がいることに感謝しています」と話していました。