9月13日(土曜日)神岡町コミュニティーセンター
神岡町コミュニティーセンターで「神岡化石フォーラム2025」が開催されました。岐阜県博物館と福井県立恐竜博物館、福井県立大学恐竜学研究所の共同研究として、飛騨市神岡地区の手取層群を調査したところ、小型脊椎動物の骨化石を含むボーンベッドが発見されました。この発見により、神岡町で発掘されたワニ形類歯化石は手取層群において最古のワニ形類化石記録となりました。
この貴重な発見を記念し、この発掘に関わった古生物学者による講演会やワニ形類の歯などの化石展示、化石掘り出しワークショップが行われました。
講演会では、岐阜県博物館の高津翔平さんと福井県立恐竜博物館の薗田哲平さん、湯川弘一さんが登壇し、写真を交えて調査の成果を分かりやすく解説しました。堆積年代がジルコン粒子を使った測定により約1億2700万年前(前期白亜紀オーテリビアン期)と判明したことや、当時の寒冷な環境にワニ形類が適応して進出していた可能性などが紹介されました。また、この発見によって神岡地域の多様な動物層が明らかになり、恐竜類など大型脊椎動物化石の収集への期待が高まり、研究において重要な地域であることが語られました。
ワークショップでは、参加者がアンモナイト、三葉虫、恐竜の骨片の中から1つを選び、発掘調査員になったように化石掘り出し体験を楽しみました。参加した中学生は「授業で化石について学んだことがあって、今日この体験をして化石は本当に存在するんだと実感できました。これからもっと調べてみたい」と笑顔で話していました。
さらに、フォーラム開催を記念し、9月30日(火曜日)まで市内図書館でコラボ企画「恐竜図書展」を開催。恐竜や化石に関する本の特設コーナーが設置されています。