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「飛騨の糸引き工女」をテーマに講演会を開催

印刷用ページを表示する掲載日:2025年9月24日更新


9月19日(金曜日) 市役所

飛騨市が保管している、明治から昭和中期にかけて作られた行政資料や受け継がれてきた歴史資料などの価値や面白さを広く知ってもらい、これらの資料の適切な保存と有効活用につなげようと、「歴史的公文書・市民講演会」が開かれました。

市には歴史的価値の高い公文書や歴史資料が多数保管されていますが、その全容がつかめておらず、永年にわたる保存環境の整備や閲覧に向けた対応が課題となっています。これを受け、調査を進めて資料の全容を把握し、保存・公開に向けて検討を行う調査整理事業を令和8年度以降、本格的に始める予定です。

今回は、市民の皆さんにより興味を持ってもらおうと、数多い公文書の中でも市民の関心度が高い「飛騨の糸引き工女」をテーマにすえ、日本近現代思想を中心に研究を進めている岐阜大学教育学部の田澤晴子教授を迎え、公文書を読み解きながら、役所が工女をどのように守り育んだかなどについて学びました。

田澤教授は、製糸工場で働く女性らが置かれた過酷な労働環境を告発したルポルタージュ(報告)などでは、明治から昭和にかけて変遷した労働状況の変化や、女性労働者保護に向けた行政の関与についてふれていないなどと指摘。岐阜県では他県に先んじて「女工組合」の設置を進めていたことや、当時の「吉城郡」では働く女性の福利厚生や教育の向上について雇用者側に対して積極的に働きかけていたことが資料から読み取れると説明しました。

大学生のころにゼミで女工哀史についての講義を受けたという国府町の中田一さんは「県立飛騨寿楽苑に勤務していたころ、入所していた利用者さんの中に、かつて糸引き工女だった方々がみえ、当時の話をよく聞かせていただきました。講義を受けた時はその過酷さにショックを受けたのですが、実際に利用者のお話をうかがうと『そうでもなかった』とのことで、ずいぶん印象が違いました。今日は改めてお話を聞いて確認できましたし、懐かしさも感じました」と話していました

当日の様子

「飛騨の糸引き工女」をテーマに講演会を開催
「飛騨の糸引き工女」をテーマに講演会を開催
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「飛騨の糸引き工女」をテーマに講演会を開催
「飛騨の糸引き工女」をテーマに講演会を開催
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