10月3日(金曜日)古川町コミュニティーセンター
飛騨市民カレッジ2025後期講座はワインの個性や品種、味わいなどの特徴を決定づける「テロワール」について学びました。講師は高山市の(有)坂本酒店社長・坂本雄一さんです。
テロワールはフランス語から派生した専門用語で、ワインの味や香り、色、口当たりなどに影響を及ぼす「地形」「地質」「土壌」といったブドウの生育環境を指す語です。
ワイン地質学研究家でもある坂本さんは、この日、シャブリやボルドーといったフランスの代表的なワインを持参。受講者の皆さんに試飲してもらいながら、それぞれのワインが誕生したブドウ畑について中生代のジュラ紀に遡る古い地質や地層、地形を掘り起こし、ブドウの育ち方や品質などワインの正体について紹介しました。
坂本さんは地質や土壌がワインにどのような影響を及ぼすか…という点に関して、「優良なワインは岩盤のない斜面に多く見られます。表土が薄くて岩盤がすぐに出てくるような条件下では樹勢が弱く、実も小さい。果汁に比べて果皮が多く、タンニンが増える可能性もあります。高級ワインができるブドウ畑は川が運んだ砂礫が水はけも良く、ブドウも完熟。良質なブドウが収穫できます」などと話しました。
受講者はチーズやクラッカーをつまみながら試飲を楽しみ、「深みのある味わいですね」「飲んだ後の余韻が太くて長い」などと感想を述べていました。
坂本さんは「テロワールはワインに特化した用語ですが、近年、農産物の紹介などでも使われます。ワインのように土地の名をブランドとして活用するなど、飛騨の農産物とひも付けできればいいですね」と話しました。また「ワインの選び方は香辛料の利いたソーセージは力強い味のワインにするなど、料理や味付けに合わせて選ぶことをお勧めします」「美味しいものを発見できるので、常に知的好奇心を頭に入れてワインと向き合ってください」と話しました。
受講した古川町の森本創・おりえさんご夫妻は月に10本以上のワインを愛飲しているそうです。創さんは「ワインについて、より深く学びたくて参加しました。ワインの世界の奥深さがよく分かりましたので、今後、選択肢を増やしてワインの世界を広げてみたいです」と話されました。