10月27日(月曜日) 古川中学校
市は、避難所の生活環境を改善し、災害関連死を防ぐため、南吉城調理師会(金子晴貴会長)と「災害時における炊き出しの実施に関する協定」を締結しました。
市では、清潔で安心なトイレ(T)、適温でおいしい料理(K)、熟睡できる就寝環境(B)を「TKB」と称して環境改善を進めています。その一環として、避難所の被災者に適温でおいしい料理を提供するため、調理師会の力を借りて支援を行います。
協定には、災害時に調理師自身も被災している可能性があることを踏まえ、ボランティアによる炊き出し体制を整備することや、今後、古川中学校と神岡中学校で毎年交互に炊き出し訓練を行うことなどが盛り込まれています。
この日は古川中学校で締結式が開かれ、古川町出身の南吉城調理師会副会長・玉腰正人さんが会長代理として出席し、都竹市長とともに協定書に署名しました。その後、炊き出しの実演が行われ、調理師会員4人が本番同様に同校の調理室で調理し、2階ロビーに仮設食堂を設けて試食会が開かれました。
メニューは、地産地消にこだわった「新鮮野菜ときのこの煮物風」や「飛騨けんとんとモヤシの炒め物」、「なめこ汁」、ビタミンCを補えるフルーツの4品です。
細菌対策として、濃いめの味付けにするなど、いずれの料理にも調理師ならではの細やかな配慮が見られました。また、明るい雰囲気の中で食事を楽しんでもらえるよう、紙皿には中学生のアイデアで励ましの言葉やイラストが描かれるなどの工夫もありました。
玉腰さんはあいさつで、「今回の協定締結は、調理師会にとっても大変有意義なことです。災害が起きたとき、『いつ』『どこで』『何をするか』右往左往することなく、心を一つにしてしっかり活動したいと思います」と述べられました。
調理室でお手伝いをした古川中学校2年生の細川翔大さんは、「温かいご飯やみそ汁を盛りつけていると、心も体も温かくなります。心を痛めている被災者の方に温かい言葉をかけ、少しでも楽になってもらい、不安を和らげてあげられるといいと思います」と話していました。