11月26日(水曜日)市役所
市は今年3月、JAひだと脱プラ肥料を開発したサンアグロ株式会社(東京都)とで「飛騨市発脱プラスチック肥料の開発・普及にむけた連携協定」を結び、このほど環境にやさしい米づくりの実証実験を行いました。
この日は、実験した市内水稲農家によるタカヤマモチとコシヒカリの収量などの報告会が開かれ、市農業技術専門監の鍵谷俊樹さんが移植期ごとにグラフ化した「収量」「脱プラ肥料で栽培した品質」「高温障害の有無」「食味値」などを示し、いずれも生育良好で目標収量もほぼ達成したことが分かりました。
プラスチック被膜に覆われた肥料は現在、多くの農家で使用されていますが、分解しにくいため、水田から流出したプラスチックが河川や海を汚染し、環境保全の面で対策が求められています。
新たに開発された脱プラ肥料は硫黄の被膜に覆われたもので、被膜のピンホールから少しずつ養分が溶け出す緩効性肥料です。殻は分解して作物の養分になり、環境にやさしい製品といわれます。
実験を行った古川町下気多の岩塚哲士さんは環境面だけでなく、「もち米と酒米は収穫期が重なるので大忙しでしたが、脱プラ肥料を使うことで、もち米の収穫が10日間ほど早まったため、良質なもち米が安定して収穫できるようになり助かりました」と話していました。
都竹市長は「海洋プラスチックの低減に役立ち画期的。心配だった収量や食味もクリアでき、ほっとしています。米の一大産地として持続可能な米づくりを進め、質の高い産地づくりに努めたい」とあいさつしました。
市では脱プラ肥料の使用について、今後,飛騨地域3市1村で推進するとともに、全国発信を目指します。