11月29日(土曜日) 飛騨市図書館
大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」の命名委員会のメンバーを務めた著名人や研究者が、喫茶店のマスターと常連客という設定でトークを行う催し「喫茶室かぐら~文学と科学が出会う午後」が、飛騨市図書館で行われました。
難しく感じられる宇宙物理学などについて、分かりやすい言葉や身近な話題を通して広く親しんでもらおうという企画。より多くの市民の皆さんに関心を持ってもらおうと、今回は古川町で開催しました。
東京大学宇宙線研究所所長の荻尾彰一さんが「マスター」となり、命名委員会の委員長を務めた芥川賞作家の小川洋子さん、ノーベル物理学賞受賞者で東京大学卓越教授の梶田隆章さん、国立天文台天文情報センター長の渡部潤一さん、科学ジャーナリストの青野由利さん、宇宙線研究所シニアフェローの大橋正健さんらが「常連客」として参加。また、宇宙線研究所教授の田越秀行さん、都竹市長もトークに途中参加しました。
トークでは、「巨大なブラックホールの誕生の謎を解き明かすカギが重力波」などと説明したり、「重力波と同じ周波数を音に変換すると耳で聴くことができます」などと紹介。研究と文学の共通性などにも話がおよび、小川さんが「書いている物語が途中で全く違う方向へ進む場合がありますが、そういう時は軌道修正しない方が良い小説になるように感じて、こちらの都合で書かないようにしています。研究もそういう面があるのでは」「大学を理系、文系と分けるのは乱暴だと思います」などと持論を述べると、研究者の皆さんも深くうなづいていました。
この日は、富山県や長野県など市内外から52人が参加。古川町の田中悟子さん、夏子さん母娘は「難しい単語はありましたが、分かりやすく伝えようと気を遣いながら進めてくださり、面白かったですし、たくさん良い話が聞けました」「宇宙から文学まで、すべてが人生につながってくるのだと感じました。宇宙に関係する皆さんからは、とても穏やかな印象を受けました」と話していました。









