3月26日(木)飛騨市美術館
飛騨市宮川町塩屋で発掘された島・塩屋金清神社遺跡出土品がこのたび国の重要文化財(美術工芸品)に指定され、市にとって美術工芸品では古川町中野の岐阜県中野山越遺跡出土品(1996年)に続いて2件目、国指定の文化財としては姉小路氏城跡(2024年)以来11件目の指定となりました。今回指定されたのは、縄文時代の島遺跡と塩屋金清神社遺跡の発掘調査で見つかった出土品で、作品数は合計377点(本指定284点、附(つけたり)93点)です。
※本指定…実際に当時の人が使ったり触れたりしたもの、附…発掘過程で見つかった本指定を説明する附属のもの
遺跡の発掘は宮川村時代から行われており島遺跡は2008年、塩屋金清神社にいたっては1973年から開始。50年以上の時を大切に紡いできました。
今回の重要文化財指定は、石棒が近くの山で産出する溶結凝灰岩(通称:塩屋石)の原石、作る時に出た欠片の剥片、未成品として作りかけの石棒、たたく道具の敲石(たたきいし)やみがく道具の砥石とともに見つかったことで、素材産出地と製作工程がわかり縄文時代の代表的な祭祀遺物である石棒の製作方法を理解するうえでのきわめて重要な基準資料として価値を認められたことになります。
今回の国重要文化財の指定について三好学芸員は「自分としてはこれまで石棒に価値があると思い活動してきました。今後も石棒を守る理由ができて安堵しています。今後は学術的な価値が認められたことで、市だけではなく国の宝として重要なものだと発信できることがうれしい」と想いを語られました。
現在、飛騨市美術館で開催中の「もうひとつの石棒展」で一般公開されている出土品はすべて国重要文化財に指定されたものです。企画展は4月22日(水曜日)まで開催しており、石棒の製作方法などについてパネルで紹介されています。国に指定されたばかりのこの機会にぜひご覧ください。
また、4月4日(土曜日)にはギャラリートークも企画されており、学芸員が直接出土品の背景や指定の経緯、魅力について解説する予定です。
島遺跡は約4500年前、塩屋金清神社遺跡は約3500年前の遺跡とされており、当時の人は約1000年間石棒を作り続けてきたことになります。今回の国重要文化財指定により将来にわたり大切に保管されることで調査が進み、未だどのように使われたのか不明な石棒の謎に迫ることができるかもしれません。