5月2日(土曜日)~6月28日(日曜日)飛騨市美術館
木版画教育に力を注ぎ、飛騨の中心的な版画家として活躍している袖垣治彦さん(高山市)の作品展が市美術館で始まり、市民や観光客らが自然豊かな飛騨の風景や、生命感あふれる抽象画など清新でダイナミックな木版画の世界を楽しんでいます。
袖垣さんは昭和4年に旧上宝村蔵柱に生まれ、岐阜大学美術工芸学科を卒業後は教員として木版画を指導し、創作活動も精力的にこなされています。これまでに日本版画協会展や県展、飛騨高山現代木版画ビエンナーレなどに出品し、平成25年に県芸術文化顕彰、同29年には瑞宝双光章を受章されました。
作品は「草花」「飛騨の山々」「渓流」「高原」「抽象」、鍾乳洞をメーンに飛騨の悠久の時の流れを表現した「太古」の各コーナーを設けて計46点を展示。このほか袖垣さんが所有する版画用具なども紹介しています。
作品の一つ『晩秋の白山』は80歳代半ばに白山スーパー林道頂上から約3時間かけて登った、三方岩岳で描いたスケッチを基に制作されたそうです。このほか神岡町栃洞の『風薫る』や河合町月ヶ瀬から見た天生集落をモチーフにした『雪峡』など、主に北飛騨の作品が展示されています。
初日に家族4人で会場を訪れた袖垣さんは作品をご覧になった後「作品はすべて現地でスケッチしたものを持ち帰り、改めて大きな画面に描いて再構成しています。多色刷りなので、版面がずれないように刷るのが一番大変ですね」と話されました
会場には幼少の頃から袖垣さんの作品に親しんできた高山市の沖野敬之さんも訪れ「風景をモチーフにした作品ばかりと思っていましたが、抽象作品も彫られているとは知りませんでした。とても新鮮に感じます。炎をイメージした『炎煒(えんき)』や魚の群れを表現した『歓喜』、畑一面に広がる麦を作品にした『幽麦』など、どれもすばらしいです」と目を見張っていました。
なお6月21日(日曜日)には14時から袖垣さんのトークイベントも行われます。
