ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > ヒダ×10代ケンシン > 10代ケンシンのススメ・応援メッセージ
10代ケンシンとは
10代ケンシンの受け方
よくある質問

10代ケンシンのススメ・応援メッセージ

印刷用ページを表示する掲載日:2024年6月19日更新

飛騨市長 都竹淳也

飛騨市では、こども達の健やかな成長を願い、さまざまな政策を行っています。
平成29年に「飛騨市こどものこころクリニック」を開設、平成30年に当時NPO法人「はびりす」を迎え、精神科診療および作業療法を通じて小児のさまざまな健康課題への支援を行っています。さらに令和5年7月から小児科・精神科・小児予防医療を専門とする阪下和美医師を顧問医師として委嘱し、令和6年度から「ヒダx10代ケンシン」を実施します。
       
日本国内では、思春期の精神的な問題・行動の問題に苦しむ子どもが増加しています。コロナ禍を経て、そうした問題に苦しむ子どもたちがより一層増えたこと、さらに彼らへのケアが不足していることがわかってきました。
飛騨市でも、学校に行きづらい・いけない、集団で過ごすことが難しい、こころがつらい、などの状態になる10代の子どもは少なくありません。中3健診・フレッシュ健診・学校健診はからだの病気がないかどうかをみることができます。しかし、こころの面、そして、こころに影響を与える生活面の状況について、大丈夫かどうかをみることはできません。10代は、からだだけではなく脳も発達途上であるため、まわりの状況にびんかんで、ネガティブな気持ちや悩みをいだきやすい時期です。友人関係・親子関係のトラブルや生活リズムの乱れなども起こりやすくなります。そして、こうしたこころの面、生活面のさまざまなありかたが、健康をおびやかすリスクになりえます。「元気そう」に見えても、こころとからだのバランスを少しずつくずしかけていることもあります。
          
​阪下医師主導のもと実施する「ヒダ×10代ケンシン」は、文字どおり「10代のための健診」です。11~18歳を対象に、からだ・こころの健康状態、学校や友達関係などの生活の状況を医療者がじっくり聞き取り、健康をおびやかす問題やリスクがあれば、アドバイスをしたり、一緒に考えたりする機会です。こども本人が、「自分の健康状態を自分のことばで話す」「自分で健康について考えてみる」ことで、健康への関心を深められることが期待されます。さらに、医療者と話すという経験が、「困ったら助けを求められる」力を身につけるきっかけにもなります。ヒダx10代ケンシンは、「自分を知る」お手伝いになるでしょう。
          
また、10代ケンシンではこどもたちの心身の健康状態に関するデータを個人が特定できない形で収集します。これは非常に貴重であり、間違いなく今後の飛騨市のこどものための健康政策の発展につながります。この趣旨をご理解いただき、多くの思春期の方に受けていただきたいと願っております。
       
ヒダx10代ケンシンで、大切な10代の健康をもっと健康にしませんか。

市長写真

飛騨市教育委員会 教育長 下出尚弘 

思春期の生徒は、体も心も大きく変化・成長します。変化に戸惑い、不安になることもあります。
自分の思いを言葉にできずに無口になることもあります。言いたいことがあっても、大人には言いたくない時もあります。
      
思春期の様相は、人それぞれ違うものの、多くの人が通る不安定な時期です。 そんな時に、自分の思いを受け止めてくれる人、相談して助言を受けられる人、助けを求められる人がいたら、どんなに安心でしょう。
「ヒダ×10代ケンシン」は、まさしくそうした人との出会いの場であり、安心を創り出す場であると、私は期待します。
      
〇思春期を専門とする医師が、1対1のプライベートな環境で個別健診をします。
〇時間をかけて生徒の心を開き、体だけでなく心や生活面についても相談にのり、一緒に考える機会をつくります。
     
自分の体について正しい知識や状態を知ること、不安を一人で抱え込まずに相談して助言を受けられることは、安心につながります。
安心した状態にある時に、より強く挑戦しようと思ったり、体の健康を保つために予防しようと思ったりするのだと思います。
「ヒダ×10代ケンシン」を一人でも多くの生徒が受診し、安心してさまざまなことに挑戦し、幸せな人生を切り拓いていくことを期待します。
下出教育長

飛騨市民病院 小児科 第2診療部長 中林玄一

みなさんは、“健診”に「どのようなイメージ」を抱きますか?
    
「自分の心身の状況」というものは案外と分かっていないことが多く、仮に問題を自覚しても「ひとりで適切な対応や調整は困難」なため、「自身の健康状態を確認し、病気などを予防する」ためには「 専門的で温かな助力とフォロー」があると助かるものです。まして「心身が急速に成長・変化」する“思春期”ともなれば「不調の発生はほぼ必ず起こる」ために “なおさら”です。
      
現代社会は「不安定でめまぐるしく変化する」状況なのに、本来は「最も助けを要するはずの10才代」の“困難感”が、場合によっては「(本人にも)問題の存在を自覚できない」まま“不可視化”され、放置された結果が、 “若者(思春期・青年期:10歳~30歳)”の感じる「異様な閉塞感と心身不調」の大きな起点になっています。
    
思えば「いまのオトナ」が、「かつて思春期だった」頃は、有形・無形の支援を周囲からたくさん受け取っていました。
「大家族、親戚、近所のおじさん・おばさん、学校・会社の面倒見の良い先生・上司などの温かい目線の人々、緩い景気と税制」などです。しかし、現在では「おせっかい」がトラブルや分断の焦点となりかねない“孤立化社会”が進行中です。このような時代だからこそ「地域・社会ぐるみのサポート」を新たな形で再興して、願わくは「いまの大人も“思春期に受けたかったなぁ”と思えるほどの新たなサポート体制」が望まれています。
          
本邦では、海外の多くの国で行われる「(10代を含む)切れ目のない健診」はないため、新たな用語として「思春期健診」と銘打ち、さらに飛騨の地を明記する「ヒダ×10代ケンシン」として発足を目指し、ついに実現に至りました。
健診に参加する小児科医・看護師はプライバシーを守り、利害関係の無い相談相手として最適です。
      
家庭のように“養育・被養育”の強い相互関係や、学校のように“評価・被評価”の上下関係の心配を(ひそかに)抱く必要はありません。そして心理面での傾聴と支援はもとより、もし必要なら(同意を得つつ水面下で)行政・家庭・学校に広く調整や支援を行うという現実的なサポートの基点・中核ともなりえます。
      
​この取り組みは「長く日本でも切望されていた“思春期健診“の社会実装」と、「日本の風土に合わせるための現場情報~調整と全国への普及」を目指しています。まずは何よりも「飛騨の子どもたちの力となり、地域の活性化」に貢献すると同時に、やがて「全国の子どもたち、ひいてはニッポンを救う基点となる」重要な役割を担っています。しかし一方で、社会に“ご利用の輪”が広がらなければ、本事業は「3年間の試行期間で終了」して“灯火(ともしび)が消えてしまう”という時限性も孕んでいます。
     
本事業の原資は、飛騨市への「ふるさと納税寄付」による全国からの応援であり、成果を「社会に還元」することが期待されています。そして、3年を超えて「国の事業」として継続できるように“芽を育む”ことこそ、「当地でも3年を超えて、10代への熱いエールを送り続けられる(事業を継続出来る)」ことに繋がります。
         
本事業の中核となっていただく阪下和美先生は、日本に「バイオ・サイコ・ソーシャル(医学だけではない体・精神・社会の調和)」の概念を導入した思春期精神・心理の第一人者で、岐阜大医学部を卒業し、米国医師免許、米国総合小児科専門医、公衆衛生学士などを持つエキスパートで、国内外の事情に精通している、自分も篤く信頼している先生です。
   
ぜひ、当地と日本の“未来”のために、当健診事業への積極的なご参加をいただき、ご利用者はもちろん、飛騨市の皆さんにもさらなる安定と繁栄がもたらされることを祈念しております。市民病院中林先生画像