6月23日(金)市役所ほか
市では現在認定されている14種類の伝承作物を後世に残そうと、生産量を増やし、産地化を目指しています。今回は古川町沼町に伝わる「行真ネギ」にスポットを当て、広く生産を呼びかけました。
かつて行真地区と呼ばれた沼町は、町名の通り、湿地が広がっていました。ネギは一般的に湿気に弱いといわれますが、この行真地区では長い時を経て、湿気に強く、風味豊かな「行真ネギ」が生まれました。現在、数軒の農家が栽培を手掛け、ブランド化を進めています。
今回の栽培講習会は、実際に栽培を手掛ける古川町の「三寺めぐり朝市」の井之口忠会長が講師を務め、農家ら13人が参加。講習会では画像を示しながら「ネギの先が枯れるのを防ぐため、苗を植える時は土に石灰を混ぜます」「雨に備え、畑のふちに溝を掘って植付け溝に水がたまらないようにしてください」などとアドバイスしました。
この後、井之口さんと受講者らは現地に出掛けて生育状況などを視察。参加者の「肥料は苗のうちから入れてもいいですか」「夏場に柔らかいネギを収穫する方法はありますか」といった質問に答えたりしました。
ネギ畑の傍らで種を取っていた女性は「種には限度があります。市販されていないので、皆で力を合わせて一つでも二つでも増やしていかなければダメですね」と話していました。
古川町の宮地貞男さんは「みんなで力を合わせて切れめなく栽培することで、おいしいものを後世に伝えたいと思いました」と。また、飛騨ネギを栽培する神岡町の中野多千子さんは「植え方や土寄せの時期など無駄な労力を使っていたことが分かり、助かりました」と話していました。