12月10日(日曜日)市役所と飛騨市図書館ほか
予測困難な時代を生きる子どもたちに幸せな人生や、持続可能な社会の創り手となる力を身につけてもらおうと、学校、家庭や地域が一体となって子どもたちを育む飛騨市学園構想。このイベントでは、そんな構想を基に市内5校の小中高生による「探究発表」など、さまざまなワークショップが行われました。
オープニングで都竹市長は「子どもたち一人ひとりが主役となり、大人と一緒に活動することで地域を元気にする、今の時代にふさわしい取り組みだ」、また沖畑教育長は「飛騨市学園構想第2章では町を元気に、未来を明るくするため地域へと活動が広がった。このイベントを機に、より横のつながりを増やし、市民がワクワクする探究的な学びを広め、学ぶ楽しさを体感してほしい」とあいさつしました。
探究発表に先立ち、メイン会場ではコンテンツクリエイター・藤原麻里菜さんが親子対象に「自分オリジナル!目があうメガネを作ろう」をテーマにワークショップを行いました。これは、自身の体験を基に、人と目を合わせることが苦手な子どもたちのために考案したメガネ。このメガネがあればいつでも、どこでも、誰とでも目を合わせることができるそうです。「無駄づくり」を提唱する藤原さんは「今日、手を動かしたことで何かが生まれます。無駄と思われることは未来の価値です。私はこれからも無駄づくりを続けたいと思います」と話しました。
子どもと参加した高山市の野村大さんは「小さな発想や無駄と思われることでも、実践することで人間として幅を持てます。他人には見られないユニークな発想が学べるおいしいイベントですね」と、また、長男の悠大さん(国府小6年)は完成したメガネを顔に当てながら「無駄なことって楽しい。これで相手の目と合うか不思議だけど、そのムダと思われることから何かが生まれるのですね」と話していました。
引き続き、各校の児童生徒による「探究発表」が行われました。ヨシを使ったストローづくりなど池ケ原湿原での環境活動(宮川小)、にきびや日焼けに悩む中高生をターゲットにした薬草化粧水(神岡中)、吉城高は「飛騨市のご当地キャラをつくり、ラッピングバスを走らせよう」と、さまざまなキャラクターを市に提案しました。飛騨神岡高ロボット部は災害時にも役立つ水陸両用で、狭い所でも入ることができる自立型ホバークラフトを研究、実演も行いました。
また、古川中は4つのグループが登壇し、それぞれ「古川中学校防災計画」「誰もが過ごしやすい町づくりのために~飛騨市に休憩所をつくろう」「絵本でつながる心と絆~あったかい地域づくり」「二人の歌声で地元飛騨市にもっと彩りを!」と題して活動報告や合唱が披露されました。
発表を終え、都竹市長は「住民に寄り添い、暮らしの改善につながる取り組みばかりか、地域の課題や資源をとらえた活動も多く、ありがたい。プレゼンやタブレットの活用など子どもたちのレベルの高さにも驚きました。今後の『探究の学び』にわくわくしています」と講評した。
会場ではこのほか法政大学経営学部の長岡健教授が「楽しく学ぶ、自分らしく学ぶ」と題して講演、サブ会場では飛騨・高山両市の助産婦らによる子育てなどの探究イベントやITプロとScratchによるプログラミング探究、図書館司書と図書館探究などのワークショップが行われました。