11月17日(日曜日) 市役所・飛騨市図書館
目指すべき未来をつくる担い手や理想の地域などについての市のビジョンや取り組み方などをまとめた「飛騨市学園ビジョン」の実現に向け、市内で実践された探究的な取り組みの発表や展示を行う「第2回飛騨市探究フェス」が市役所などで開かれました。
下出尚弘教育長は「発表者の皆さんが面白がって取り組んでいる様子を肌で感じながら、自分たちはこれから何を探究していこうかと考えるきっかけになれば」とあいさつしました。
この日は、古川小学校と宮川小学校、古川中学校と神岡中学校、吉城高校の生徒らが、それぞれ取り組んできた「探究」の取り組みについて、スライド写真や動画などを交えながら発表しました。また、地域の皆さんと学校をつなげながら子どもたちの学びを支援している神岡小中学校地域学校協働本部「maimai」が活動報告や今後の展望などについて発表。他に、神岡高校文芸部や飛騨吉城特別支援学校、山之村小中学校による活動報告の展示、助産師による命の大切さを学ぶ集い、石棒クラブによる「石棒神経衰弱」、「飛騨米」を味わうコーナーなど、盛りだくさんの内容となりました。
古川小学校の児童は「古川やんちゃ学~ふるさとの魅力を学び・広げる~」をテーマに古川祭、古川町の歴史や町並み、飛騨の匠、市の薬草の取り組みについて、それぞれ調べたことから分かった魅力や課題、今後への意気込みなどを発表。「古川祭は屋台以外の奉納行事が知られていないし、他の祭りもあまり知られていない。自分たちももっと参加して広く知ってもらいたい」「装飾を施された肘木『雲』を作る職人さんが減っているので、興味や夢がある人などに後継者になってほしい」「昔の町並みがあまり残されていないので、まだ残っている町並みを大切にしていきたい」などと思いを述べました。
神岡中学校の生徒は、1年生から3年生までに段階を追って地域課題に深く取り組んでいく「神岡Field学」について紹介。市内での研修や地元企業の販促ポスター作り、商品開発や子どもの居場所づくり、地域イベントへの関わりなど、それぞれの取り組みで分かった課題や成果について発表しました。また、吉城高校の生徒は、夏季を快適に過ごすために制服の代用となるポロシャツ作りに挑戦した取り組みを紹介。「変えられないと思い込んでいた校則を変えることができ、声をあげ、行動することの大切さを知った」「改善・改革の大変さと同時に達成感も感じられた」「ポロシャツを着れるからと入学を希望してくれるようになった中学生がいた」などと報告しました。
発表を聞いた都竹市長は、個別の取り組みを分析しながら、それぞれの良さについて講評。「発表を通じて、子どもは教える対象でなく、ともに歩む地域の仲間だと改めて感じました。子どもの学びは、そのまま大人の学び。まちづくり、地域づくりはこうした基礎の上に成り立っているのでは」「大人が生き生きとまちづくりや地域活動をやっている姿を子どもたちに見せることが一番の教育。大人自身がやりたい活動を生き生きとやっていくことが、探究に向けた一番大きな役割を果たすのでは」などと述べました。
娘の佳音さんの発表を聞きに訪れた古川町の井上沙弥佳さんは「どのグループもプレゼンテーションに慣れていて、気持ちが伝わってきてすごいと思いました。『子どもができることって、このくらいかな』と考えていたイメージの上を行っていて、パワーを感じましたし、最近の子たちはすごいなあと感心しました」と感想を話していました。