6月29日(土) 飛騨市多機能型障がい者支援センター古川いこい
11歳~18歳の思春期における子どもたちの心身の健康を守ろうと企画された「ヒダ×10代ケンシン」(思春期健診)が始まることを受け、関係者や報道関係者向けの説明会が、同健診の主な会場となる飛騨市多機能型障がい者支援センター古川いこいで開かれました。
「ヒダ×10代ケンシン」とは、市内在住か市内へ通学中の11歳~18歳、いわゆる「思春期」の皆さんを対象に、この時期ならではの心や体のこと、家庭や学校のこと、将来への不安など、さまざまな不調や悩みについて10代の健康の専門医が1対1で話を聞き、少しでも楽になる方法を一緒に考えていこうという健康診査で、これを社会実装するのは日本では初めての取り組みです。
大人になってから診断される精神疾患の半分は10代半ばまでに、4分の3は20代半ばまでに発症しているというデータがあり、心身の不調を早期に発見して早期に治療につなげ、早期に回復してもらうことで将来的な負担を軽減しながら、若者の健康を守っていこうという目的があります。家庭での生活習慣や問題などに起因する場合もあるため保護者との面談も行ったり、抱えている不安や問題を保護者や学校には言い出せない場合もあるため、子どもたちが気軽に話せるよう医師が1対1で対話し、保護者にも学校にも秘密は厳守されます。
この日は、「ヒダ×10代ケンシン」の企画、社会実装を手がける小児科医で、飛騨市思春期健診運営委員会の委員長も務める阪下和美医師が概要について説明しました。阪下医師はこれまでの経験から、思春期の子どもたちがちょっとした不調を感じてから診察に訪れるまでにかなり長い年月が経過しており、診察した時にはすでに深刻な状態に陥ってしまっている傾向があると指摘。「ちょっとモヤモヤやイライラ、ザワザワがあるかなという時点で医療従事者と話すことで、子どもたちの苦しみを早期に解決したい」「子どもたちが自分の言葉で不調や助けを求められるよう、話すスキルを身につけてもらいたい」と思いを語りました。
来賓として出席した都竹市長は「いろいろ思わぬことがたくさん発生すると思いますが、初めての取り組みを行うことでノウハウや経験、知識、人的なネットワークがとてつもなく蓄積されます。これは飛騨市にとって大きな財産になる。今年いろんな課題を見つけていただき、改善を重ね、飛騨市から思春期健診を進めていただきたい」などとあいさつしました。
説明会の後、関係者の案内で健診会場の内覧が行われ、出席者は熱心に質問したりしていました。
◆「ヒダ×10代ケンシン」特設ページhttps://www.city.hida.gifu.jp/site/hida10daikenshin/