2月14日(金曜日) 宮川小学校
東日本大震災が起きた2011年当時まだ生まれていなかったり、幼くて震災の記憶があまりない児童生徒らに、震災の体験者から話を聞いたり感想を発表し合うことで関心を持ってもらい、当事者意識を持って防災や減災を考え取り組んでもらおうと防災講話が行われました。
この日は、同震災で多くの子どもと教職員が亡くなった宮城県の旧石巻市立大川小学校(現在は震災遺構)の校区にお住まいで、石巻市立青葉中学校の校長も務める平塚真一郎さんが講師となり、「未来をひらく~つながる命、つなげる命~」の演題で、同震災での被災体験や命の大切さなどをオンラインで語りました。
平塚さんは震災で、当時大川小学校6年生だった娘さんを亡くされたり、勤務先の学校で被災者を受け入れるなど、さまざまな体験をされています。現在は防災・減災についての講演や著書を通じ、命を守り未来へつなげるメッセージを発信してみえます。
講演で平塚さんは、東日本大震災や能登半島地震の被災地の様子を撮影した写真や、首都直下地震のシミュレーション動画などを示しながら、地震や津波について説明したり避難の方法などを解説。また、大川小学校では児童108人中74人、教員13人中10人が犠牲になったことも説明し、震災後の校舎の写真なども示して被害の大きさを語りました。亡くなった娘さんの話にもふれ、落ち込む毎日を過ごす中でも「生きている人が自分の人生をしっかり生きることが、天国の人を笑顔にできる」と考えるようになったと紹介。「自分の体を大切にして。決して傷つけないで」と訴えました。
また「私たちは、過去に起きた大きな災害と、未来に起きるであろう大きな災害の間『災間』を生きています。大きな災害はいつどこで起きてもおかしくありません。過去の災害や経験を教訓にして、防災・減災を自分ごととして考え取り組み、まずは自分の命を守りつないで。そしてさらに未来の命を守ってください」と呼びかけました。「地震の時に机の下に入ったり、頭をかばって体を丸めたりするのは落下物から頭を守るため。対策には必ず意味があります」「避難先や逃げるタイミング、持ち出す物を普段から決めておいて」「過去の経験から生じる思い込みで判断を誤ってしまうことがあるので注意を」などと具体的なアドバイスも行い、「自ら考え、判断し、行動できる人になって」と呼びかけました。
この日は同校の児童7人と教職員、保護者などが参加しました。また、恵那市立串原小学校の児童や同じく串原中学校の生徒もオンラインで参加。児童生徒らは神妙な面持ちで平塚さんの話に耳を傾け、「生まれる前の出来事でよく分からなかったのですが、今回初めて学んで、こんなに大きな災害だったと分かりました」「誰かを助ける前に、まずは自分を助けるべきだということが分かりました」などと感想を話していました。
講演後、宮川小学校5年生の藤戸貴生さんは「僕たちは地震や津波から教訓をもらっているので、それを無駄にしないように生きていきたいです」と話しました。