4月18日(金曜日) 古川中学校
自分の好きなことや得意なことを深めながら地域に貢献する実践活動「古川中学校 マイ・プロジェクト(マイプロ)」の今年度の実施を前に、取り組みの意義などについて理解を深めたり、これから自身が設定するテーマについて考えるキックオフ会が、3年生114人を対象に開かれました。
同校では、生徒自らが地域課題について考え、その中で自分にできることややりたいこと、得意なことの実践を通じて地域に貢献できる人材育成を図っています。行政や各種団体、地域が開催するイベントの手伝いや参画、地域の皆さんの困りごとや課題の解決、保育園児や小学生の体験プログラムの企画・運営など幅広く活動しています。
この日は、中村裕幸校長や担当教員がマイプロの概要や取り組み方、同校の先輩らがこれまで実践した取り組みなどを紹介。その後、飛騨市観光協会の齋藤由宏事務局長や市環境課の職員が、これまで行ってきた取り組みや今後の方針などを説明したり、古川中学校の生徒に取り組んでほしいテーマなどを紹介しました。
市環境課からは、「市民の皆さんに脱炭素について知ってもらって普及したい」との提案がありました。家庭や企業から排出される二酸化炭素などの温室効果ガスが増えたことで地球温暖化が進み、市でもこの30年の間に年平均気温が0.7度ほど高くなっていると説明。気温が少しあがるだけでも異常気象や災害が増え、農産物の栽培が困難になったり、自然や景観が壊され、私たちの生活に悪影響を及ぼす可能性があることを強調しました。市は「ゼロカーボンシティ宣言」を行い、脱炭素に向けた取り組みをしているとしながらも、脱炭素について知っている市民の割合が全国平均と比べて20%も低いと指摘。市民の皆さんに脱炭素について知ってもらうためのガイドブックの作成や、さまざまな活動を予定しており、生徒の皆さんに手伝ってほしいと呼びかけました。
市観光協会の齋藤事務局長は、市の人口減少や高齢化が町の発展を妨げていることを説明し、飛騨市ファンクラブやヒダスケの取り組みで外部の人の助けを借り、地域活性化を図っている現状を紹介。その一方で、市民一人ひとりが自分にできることを探し、実行する力が求められていると強調し、「若者の力で地域や大人を動かしてほしい」と呼びかけました。マイプロの協力を得て実現してきた取り組みも紹介し、今後「まつり広場を市民の憩いの場にする取り組み」「まつり会館のオリジナルグッズの開発」「観光客の目的や満足度の調査」などに力を入れていくとし、「自分のやりたいことを探してチャレンジを」と話しました。
講話の後、生徒らはそれぞれ「自分の好きなこと、興味があること」「取り組んでみたいこと、すでに行っていること」などを用紙に記入し、今年度に自分が取り組みたいテーマについて考えました。
下嶋七愛さんは「仲間3人で古川祭についてマイプロの探究をしていて、その一環で水穂神社の金蔵獅子を探究します。金蔵獅子を担っている人の大変さとか、少子高齢化の中で中学生や地域の方がどう考えているかなどを探究して、最後に分かったことを地域の皆さんに報告したいです。実際に金蔵獅子をやっている人にインタビューをしたり、見たことのない練習風景なども見させていただきました。中高生も取り組んでいる姿を見てすごいなあと思いました」と話していました。
一緒に取り組んでいる吉村朝澄空さんは「古川町は人が少なくなって祭りの運営が大変だと聞いたので、自分たちが調べたことを市民の皆さんに伝えて広め、少しでも盛り上げることができたら」、島田結菜さんは「実際に水穂神社の采女を頑張っているので、3人で探究したことを深めながら一緒に祭りを楽しめたら」と意気込みを語りました。