8月2日(土曜日)市役所
富山大学和漢医薬学総合研究所の専門家を招き、全5回にわたって開催している「市民健康講座」。2回目は“未病”に関する漢方医学の考え方、漢方薬による“むくみ”の改善などについて同研究所薬用資源管理部門の条美智子助教が紹介されました。
“未病”は病気に向かう芽を摘み取り、食生活などを含め、健康を保つための考え方で、漢方だけでなく現代医療(西洋医学)でも取り入れられています。
国内では一般社団法人・日本未病学会が健康と病気の間に“未病”の時期を設けることで、将来の医療に関わる問題解決に努めています。国の健康・医療戦略として法制化もされているそうです。
条助教は江戸時代の儒学者、貝原益軒が著した健康指南書「養生訓」を紹介。それには「人の命は養生次第」と飲食や飲酒、入浴など生活習慣の心得が記されています。このほか漢方医学の病因論や「陰陽・虚実」「気・血・水」などに基づく診察の仕方、「自然治癒力」「同病異治」といった治療方法など漢方医学の考え方についても紹介されました。
また、水滞(水毒)の症状の一つ「むくみ」に関して、条助教自身が漢方薬の五苓散で改善した体験談に基づいた話や、リンパ浮腫の治療法構築を目指して取り組む生化学的研究についても話されました。
受講した神岡町の桝田友章さんは「体質改善のため漢方薬を服用していますが、湯を使って服用すると効きやすいなど漢方に対する情報がいろいろ分かりました。『養生訓』など漢方の医学書も手に取ってみたいと思いました」と話されていました。