9月 29 日(月曜日)千代の松原コミュニティセンター
9月1日から始まった「緊急銃猟制度」について理解を深めてもらおうと、関係者向けの研修会が行われました。
この制度は、クマなどの危険な鳥獣が人の日常生活圏に侵入し、危害を加える可能性があるなどの緊急性があり、銃猟以外では捕獲等が困難な場合に、安全性などの諸条件を満たした上で、市街地でも市町村長の責任で発砲を許可できるとしたもの。近年増えている市街地での鳥獣被害をふまえ、法律の一部が改正されました。
一方で、この制度は法律のしばりが厳しく、地域ごとで事情も違い、実際の運用に困難が予想されるため、今回の研修会では制度の内容やシミュレーションを事前に体験してもらい、適切な運用を目指そうと実施されました。 当日は、飛騨市鳥獣被害対策実施隊員(猟友会員)の皆さんや自治体職員、警察署員など約 40 人が参加しました。緊急銃猟が許可される場合の場所、緊急性、方法、安全確保などの条件、実施によって損害が生じた場合の対応など運用について学んだ後、市内4町ごとにグループに分かれ、特定の場所にクマが出没したと想定し、どのように対応するかなどを地図を見ながらグループワークを実施しました。
参加者は「クマが幼獣か成獣か、子連れかで対応が変わる」「爆竹でクマを逃走経路に誘導しようとしても、逆に刺激してしまうのでは」などそれぞれの経験をもとに意見を出し合い、まとめた意見を発表しました。
研修会後半には、市街地にクマがいると通報があった想定でのシミュレーション実地訓練もあり、関係者は決められた手順に沿って行動し、クマを駆除する訓練も実施。
終了後、「大勢の住民の避難は、事前に周知していても相当な時間を要する。訓練とはいえ想定するべきだ」などの指摘がありました。
飛騨猟友会神岡支部長の堀本昌嗣さんは「動き回るクマをその場で1発で止めるというのはなかなか難しい。すばやい連携ができるかがポイント。地域ごとに訓練を重ねることで連携もうまくできるようになるのでは」と話していました。