10月25日(土曜日)古川城跡ほか
国史跡「姉小路氏城跡」を構成する5つの山城跡のうち古川城跡と小島城跡で「山城ガイドツアー」が開かれ、新設した「山城ガイド」の皆さんがデビューしました。
城跡が色濃く残り、戦国武将の変遷がよく分かる遺構として国史跡に指定された姉小路氏城跡。これを機に市ではより多くの方々に史跡を見学してもらおうと山城ガイドを育成。今年6月、15人のガイドが誕生しました。
この日、2か所の城跡にそれぞれガイド6人が訪れ、見学者を引率。うち古川城跡には見学者23人が訪れました。一行は登城口から山頂の「天守櫓台」まで、ガイドの説明に耳を傾けながら1時間ほど歩きました。ガイドの皆さんは「主郭」や「櫓(やぐら)台」、主郭を囲む「切岸」と呼ばれる斜面や「曲輪(くるわ)」など要所要所でそれぞれ学習成果を披露。
道中、ガイドの皆さんは城跡のイラスト図などを手に、複雑な構造の石垣の跡や急しゅんな「切岸」を指しながら「城には容易に攻め込めないようさまざまな工夫が凝らされました」と。
また、櫓台では美濃焼の茶わんや、中国の製品と思われる天目茶わんの破片などが見つかっていることから「茶会が開けるほど財力のある高貴な方や、遠方と交流できる財力のある武将が住まわれたと推測できます」などと解説。参加者からは「水はどのように調達しましたか」「雪が多い冬場の往来はどうなっていましたか」といった質問が出ていました。
参加した岐阜市の大坪光樹さんは「ガイドの皆さんはよく勉強されているとみえ、国史跡に指定された理由や山城のこと、勢力を持った武将など時代の特徴かよく分かりました」と話されました。
山城ガイドの中嶋七海さん(古川町)は「これまで勉強した成果が発表できて満足です。これからはもっと落ち着いて、質問にもすぐに答えられるようにがんばりたいと思います」と抱負を述べられました。
同行した姉小路氏城跡の調査指導委員を務めた加藤理文さん(日本城郭研究会理事)は自らガイドを行った経験談を交えながら「解説は学んだことの十分の一も話せません。ポイントを押さえて解説してください。見学者が20人を超えると勝手に動き回る人が現れますので、人数も考え、見学者の質問には一人一人丁寧に答えてあげてください」などとアドバイスしていました。