8月2日(土曜日)飛騨市民病院
将来、飛騨地域で活躍する医療人材を確保するため、医療系資格取得を目指す高校生とその保護者を対象としたイベントが開かれ、会場となった飛騨市民病院には、県外からの参加者を含めた高校生8人とその保護者が集まり、スタッフを加えた総勢33名が医療機器を使った体験を通じて交流を深めました。
この取り組みは、医療機関と行政が一体となって医療職や地域医療について飛騨圏域の高校生などに「知る」「体験する」「目指す」機会を提供し、将来の医療人材の育成・確保につなげようと高山市、白川村などと広域で取り組んでいる「飛騨メディカルハイスクール」事業の一環です。
黒木嘉人病院長は「飛騨地域は医療人材が非常に少なくてどこの医療機関も人材確保に苦労しています。今回のメディカルハイスクールでは、通常なかなか体験できない手技などを実際に体験できるメニューを用意して、医療職を目指しているみなさんの夢の実現を強力にバックアップしたいと思っています。この地域の医療を守る一員として一緒に働ける日が来ることを切望しています」とあいさつしました。
この日は、高校生のなりたい医療職に応じた特別な体験メニューを保護者の方と共有しながら、医療職のイメージをつかんでもらおうと、医療機器を「見て」「触れて」「操作」するをテーマにOPE・内視鏡・MRIの体験を行いました。
OPE体験では、手洗いの方法を学び実際に手術用ガウンなどを装着して手術室に入り、様々な器具を手に取ったり使い方の説明を受けた後、電気メスを使って用意された鶏肉を切開し縫合を行いました。
内視鏡体験では、罹患している部分の写真を見たり、AI技術により病変の検出と鑑別をサポートしてくれる機能を参考に診断ができることなどを学び、実際に内視鏡トレーディングモデルを操作してポリープを探しました。
MRI体験では、MRIの特徴や磁場の強さと金属の及ぼす影響を学んだり、検査を受ける前の持ち物検査の寸劇を見た後、実際のMRIの超電導から発生する磁場を体験しました。
参加した高校生は「本当に鶏肉をメスで切って縫ったり、MRIの磁力のすごさを感じたり、内視鏡検査の感覚を掴むのがとても難しいことなど初めての経験がたくさんできてよかったです。実際に看護師さんが仕事をしている所を近くで見ると患者さんそれぞれにあわせて声の大きさや喋り方を変えて患者さんを気にしながらすぐに動ける所がかっこよかったし印象的でした」、「医者になりたいという思いがより強くなりました」などと話しました。
また、一緒に参加した保護者からは「高校生という自分の将来を考え悩む時期に、現場で実際に仕事に従事している方と接してお話を聞ける充実した企画でした。本物の医療機器を使い、少人数で丁寧に説明していただきました。興味を持って楽しく体験ができたようです」と感想を話しました。