文化庁が監修する「月刊文化財」(第一法規(株)発行)の11月号が刊行され、その表紙に飛騨みやがわ考古民俗館の石棒写真が採用されました。市文化振興課の三好清超学芸員は「国宝や国指定重要文化財ではない考古資料が表紙を飾るのは異例」と喜びの声を上げています。
今回、同誌の特集が「全国の埋蔵文化財活用の取組」であり、そこに飛騨市の関係人口の拡大の取り組みと飛騨みやがわ考古民俗館の価値を発信する「石棒クラブ」の取り組みを紹介する中で、表紙に選ばれました。
「石棒クラブ」では、飛騨みやがわ考古民俗館収蔵の石棒を市民らと一緒に撮影し、ほぼ毎日インスタグラムで「一日一石棒」として発信しています。
石棒とは縄文時代の祈りの道具と考えられているもの。同館には飛騨市宮川町塩屋にある島遺跡および塩屋金清神社遺跡から出土した1,000本以上もの石棒が収蔵されており、貴重な文化財となっています。しかし、そのすべてを館内で展示することができないことから、代わりにSNSで多くの方に観てもらおうと発信を始め、3年が経過しました。
今回この収蔵資料のオープン化を市民と共同で実施しているという点が文化庁に高く評価され、同誌の表紙採用に至りました。
市文化振興課の三好清超学芸員は「この表紙は石棒クラブや関係人口を増やす事業ヒダスケ!の皆さんと撮影し発信してきた活動そのもの。活動が認められ、市の文化財が全国レベルの専門誌の表紙を飾り、嬉しい」と喜んでいました。