11月12日(土曜日)宮川町種蔵
石積みづくりの棚田が広がる宮川町種蔵で、「板倉」を利用した「光射す器/種蔵の影」展が始まりました。
開催期間は11月12・13日の2日間と、11月26・27日、12月10・11日の3回で、いずれも10時から16時まで。
この催しは、愛知県立芸術大学美術学部の井出創太郎研究室が企画したもので、参加している作家は井出教授と同大学大学院2年岩城薫乃さん、伊藤美優さん、1年何境さん、高橋天真音さんの5名です。
板倉を「大切なものを守り留め置く器」と捉え、点在する板倉5棟にそれぞれ分かれ、事前に制作してきた作品を展示したり、その場で制作したりし、板倉を一つの空間として作品にします。本格的な冬の訪れを前に、板倉に降り注ぐ光と影のコントラストが楽しめます。
作家の一人伊藤さんは、熊のぬいぐるみの写真を印刷してその上から絵を描き、それを板倉の1階の壁一面に飾りました。そして2階へ登ると、窓から光が射し込んでいて、そこには熊のぬいぐるみの部屋のような空間が作られており、板倉の中を物語を描いたような作品にしました。
伊藤さんは「一つの絵を見ても何も思わないかもしれないが、全体を見て何か物語を感じてもらえたら嬉しい。板倉の中に何気なく置いてあった物も何か物語があるのかも」と話していました。
今回の展示は、同学部神田毎実研究室サテライト施設が種蔵にあり、以前その神田教授から井出教授に紹介された企画で、今回2回目の開催です。
井出教授は「前日まで皆で倉の掃除をしたが、この地域に少しでも役に立てることが嬉しい。倉を掃除することも大事な制作の一つで、どこまで掃除するのかも表現。倉のこともよくわかり、楽しみでもある」と話していました。そして、「前回は4棟、今年は5棟、来年は6棟を使わせていただく予定で、少しずつ増やしていきたい」と意気込みを話していました。