11月28日(月曜日) ハートピア古川
乳幼児などの子育て中の人や妊婦、助産師など育児に関わっている人を対象にした「赤ちゃんの睡眠講座―今日からできるぐっすり眠る力の育て方」が開催されました。
子育て期に子どもの夜泣きや寝ぐずりなどに苦労している人はとても多いようです。今回は「IPHI妊婦と乳幼児睡眠コンサルタント」として子育て相談などに携わっている古川町出身のシェイ杏奈さん(カナダ在住)から、赤ちゃんの睡眠のメカニズムや眠りを整える基本などについて学びました。
シェイさんは、赤ちゃんは浅い睡眠と深い睡眠の周期が大人よりも短く、ほぼ半分が浅い睡眠でひんぱんに覚醒していることなどを説明。朝まで全く目が覚めないのではなく、目覚めても再び穏やかに眠りにつけることが大事だと指摘しました。一時的に寝言を言っているだけの場合もあり、声をあげた時にすぐ駆け付けると目が覚めてしまったり、呼べばすぐ来てくれるという習慣がついてしまうこともあるため、声をあげても2~3分は見守るようアドバイスをしました。寝室の環境の大切さにもふれ、豆電球などの光を遮断して真っ暗にしたり、大人には少し涼しく感じられるくらいの温度と湿度に調整するなど、快適な環境づくりの大切さも話しました。
また、日中の疲れすぎによるストレスホルモンの影響で赤ちゃんが興奮し、夜泣きや寝ぐずり、早朝起きなどのトラブルにつながると説明。昼寝をしっかりとることで疲れすぎを防いだり、昼間のスキンシップなどで心を満たしておくこと、起床時間を一定にしたり日光にあたったりすることなどが、ぐっすり眠るために大切だと強調しました。窒息事故を防ぐためのアドバイスもありました。
その上で、保護者は自分の感情を抑えて我慢するばかりでなく、周囲の人の力を借りたりして自分の心を満たすことが、結果的に家庭の雰囲気を良くし、子どもの心を満たすことにもつながると話しました。
この日は、市内や高山市から35組が参加して熱心に耳を傾けました。受講した古川町在住の子育て中の女性は「今、子どもが1歳1カ月ですが、やはり夜中に3~4回起きます。すぐに駆けつけるのはダメという話でしたが、母乳での育児で一緒に寝ているので、見守るというのはなかなか難しいですね。添い寝については学んだことで、これから見直したいです。また、仕事復帰も検討中なので、育児のやり方や環境を見直さなければと思いました」などと話していました。
シェイさんは「赤ちゃんの睡眠の悩みは世界共通ですが、相談できるところはなかなかありません。私も子育て中に睡眠トラブルで苦労しましたが、『仕方ないよ』と言われていました。でも、海外ではコンサルタントがいてアドバイスを得ることができますし、最近は日本でもコンサルタントが増えています。適切な対応で睡眠は良くなることや、現状は変えられると知ってほしいです」と話していました。