11月30日(水曜日) 宮川小学校など
市内の小学生を対象に、森と木に親しむ体験学習「森の学習会」が各小学校で行われました。
森林の仕組みや私たちの暮らしへの関わりについて学んだり、木工体験を通して木に親しんだり簡単な木工技術を学んでもらおうと、昨年に続いて実施したもの。今年度は、開催を希望した古川小学校と古川西小学校、宮川小学校、飛騨吉城特別支援学校の4校での開催となりました。主催の岐阜県産直住宅協会から事業委託を受けた飛騨古川建築組合連合会のメンバーや市職員が小学校を訪れ、講義を行ったり実技を指導しました。
宮川小学校では全校児童7人が参加しました。森林学習では、市林業振興課の富本守さんが、森林がきれいな水や空気を作ってくれていること、洪水や土砂崩れを防いでくれていること、夏の暑さをやわらげたり山の恵みをもたらしてくれていることなど、森林が果たすさまざまな役割について紹介。広葉樹の森と針葉樹の森との違い、樹木の間伐の必要性、飛騨市の森林の特徴などについても説明しました。「山としっかり関わりながら木を育て、木をうまく大切に使っていくことが大切です」と呼びかけました。最近の林業の仕事についても動画を使って紹介しました。
木工体験では、同連合会の事務局を務める直井隆次さんらが指導にあたり、木の椅子作りに挑戦しました。同連合会の皆さんが、県産のスギ材を用いて作ったキットを用意。ほぞ穴や釘穴なども事前に細工がほどこしてあり、短時間でもしっかりとした椅子が出来ました。
児童らは、メンバーからアドバイスを受けたり手伝ったりしてもらいながら、慣れない手つきで釘打ちや、やすりがけなどを体験。それぞれ出来上がった椅子を見て満足気な様子でした。3年生の藤戸貴生さんは「前にも椅子を作ったことがあるけど、今回は違う作り方で楽しかった。昔の人は、釘を使わずに木工をやっていてすごいけど、今回も釘は少ししか使わなかったので、やっぱりすごいと思いました。いい出来栄えなので、帰ってお母さんにプレゼントしたい」、6年生の丸田桃香さんは「3つのほぞを同時にはめるところがあって難しかったけど、教えてもらって、とても良い椅子が出来ました。講義では、木を伐るのは自然破壊ではなく、山を健康にすると分かりました。森はとても大事だと分かったので、私も大事にしていきたいです」と話していました。
今回指導にあたった古川町の大工、金村秀夫さんは「ほぞ継ぎで組んで作ったので丈夫で、大人が座っても大丈夫でしょう。子どもも喜んでくれたと思いますし、自分で作ったものなので大切にしてほしいです。最近の子は、家でも木を切ったり釘をうったりする機会がないので、この場で道具の扱いややり方を覚えて、何かの機会に『作りたい』と思った時に自分で作れるよう、甲斐性をつけてもらえたら」と目を細めていました。
また、同じく古川町の建築士、直井次郎さんは「山や樹木は身近にあるのに、今は子どもが木とふれ合う機会はなかなか無いと思うので、この場が木とふれ合うきっかけになってほしいです。僕は子どものころ、夏休みの工作で木工にふれましたが、大人になってもこうして木工を楽しんでいます。子どもらにも、木工など地元に根づいた仕事を体験してもらえたら」などと話していました。