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「認知症川柳」を通じて楽しく認知症について学びました

印刷用ページを表示する掲載日:2022年12月16日更新

12月9日(金曜日)河合町公民館

飛騨圏域の岐阜県認知症疾患医療センターである高山市の須田病院の加藤秀明院長を招き、河合町公民館で認知症啓発講演会を開催しました。

同院は毎年、認知症についての理解を深めるための啓発活動を飛騨地域内の各市町村で開催しています。飛騨市では、認知症になっても地域で安心して暮らせるよう、認知症に対する理解者の輪を広げたり、認知症になっても地域で住みやすい環境づくりを進めていることもあり、今回は同センターと共同での開催となりました。

第1部では、加藤院長が「川柳とともに考える 認知症になっても幸せな人生」の演題で講演しました。
加藤院長は、観察眼をもって認知症の本質をつきながらも、認知症にまつわる人情の機微や人生の哀歓を「おかしみ」を持って表現する「認知症川柳」の創作の他、病院スタッフや患者、その家族などが創作した「認知症川柳」の収集に取り組んでいます。この日は、たくさんの「認知症川柳」を紹介しながら、認知症の理解とその予防、幸せな認知症になるための視点や考察などについて話をしました。

講演では、年齢にともなう「もの忘れ」と認知症による「もの忘れ」の違いなどを説明しながらも、認知症の最大のリスクは「加齢(老化)」であり、認知症は80歳を超えてから5歳ごとに急増し、95歳を過ぎるとほぼ全員が認知症になると指摘。「認知症 脳の賞味 期限切れ」などの川柳を紹介しながら、「認知症は生活習慣病ととらえる考え方がある。認知症と診断されても、がっくりしなくてもいいのではないか」と呼びかけました。
また、日常生活では自立できている軽度認知障害の場合、1年間に10%の患者が認知症に進行するものの、健常に回復する場合もあることを指摘。認知症予防対策を早期に行うことの大切さを述べました。軽い運動や家事をすること、食事では好きなものを美味しく幸せに食べること、5~7時間の適度な睡眠をとることなどが認知症予防に効果があると強調。うつや不安、強いストレスが認知症の進行を促してしまう一方、声を出して笑う頻度が多いほど認知機能の低下は少ないことも説明し、「喰って寝て 体動かし 呆け予防」「脳活が ストレスになって 呆け進む」などの川柳を紹介しました。「年をとると認知症は避けられないが、認知症になったら人生おしまいというのでなく、幸せな認知症になれるような生き方を模索して」と呼びかけました。

講演を聞いた古川町の水谷順子さんは「話し方に親近感を持てて、親しみやすい先生でした。川柳は笑えるものが多くて感動しました。家で介護をしていますが、話を聞いて、自分も変わっていかなくてはと思いました」と話していました。
加藤院長は「認知症は、年をとれば誰でもなる可能性がある。認知症になっても大丈夫、幸せになれるという考え方が大事。川柳を通して楽しく、認知症について伝えたい」と話していました。

第2部では、昨年11月に99歳で亡くなった作家の瀬戸内寂聴さんの生き様を追ったドキュメンタリー映画『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』を上映。参加者は熱心に見入っていました。

講演の様子(1)

講演の様子(1)

 

講演の様子(2)

講演の様子(2)

 

講演の様子(3)

講演の様子(3)

 

講演の様子(4)

講演の様子(4)

 

講演の様子(5)

講演の様子(5)