6月12日(日曜日)袈裟丸研修センター
古川町袈裟丸区の「防災講演会」が開かれ、区役員や団体関係者ら約70人が参加しました。宮川流域では近年、豪雨による河川氾濫や土砂災害が増えているため、区民の防災意識向上を目的に企画されました。
第1部では古川土木事務所河川砂防課職員が水害と宮川下流部の河川事業について解説。平成16年の豪雨災害に伴う改修工事により宮川の水位が約50センチ下がり、おおむね20年に一度の洪水に耐えられるようになったこと、また、古川町の鷹狩橋上流部で進められている河川事業の概要が紹介されました。
第2部では岐阜大学地域減災研究センター特任准教授・村岡治道さんが「災害時の避難リミット 逃げるが勝ち~みんなが助かるために~」と題して講演しました。講演に先立ち、沖村三千一区長が平成16年の豪雨による宮川の氾濫で区内の全世帯のほぼ半数が浸水したこと、また同区の高齢化率が40%を超えたことから改めてお年寄りの避難対策を講じる必要があるといった課題を取り上げ、防災意識向上を呼びかけました。
村岡准教授が水害から身を守る安全対策について、全国各地で発生した災害と被災者がとった行動を映像で振り返りながら見解を述べられました。床下浸水から徐々に水かさが増え、水没の危険性が高まる被災家屋の事例では「まだ大丈夫、という様子見はダメです。間一髪の脱出はギャンブルのようなもので避難ではありません。被害が出る前に必ず避難してください」と。また「日ごろから停電、断水、食料品の備蓄、急病に供えることが大切。生活必需品は2階に保管することをお勧めします」などと話していました。
また、「住民のほか警察も水防団もみんなが助かるために」をテーマに、ある地域の水防団長がとった行動を取り上げました。それについて村岡准教授は「豪雨で危険を感じた水防団長は住民を残していち早く避難しました。普通では考えられないように思いますが、その行動によって住民は危険が迫っていることを察知し、多くの住民が水防団長に続いて逃げ延びました」と報告しました。
講演会終了後、参加者の一人で消防団員でもある石田達也さんは「災害の危険性がある時は現地に最後まで残り、住民を守ることばかり考えていましたが、様々な事例を紹介していただき大変参考になりました」と話していました。
なお、今回の講演内容については後日全区民に報告されるそうです。