7月15日(土曜日)神岡鉱山茂住坑内、神岡町公民館
普段は入ることのできない地下1,000 mの神岡鉱山坑道内をスタッフの案内で散策したり、宇宙物理学研究施設「スーパーカミオカンデ」の一部に入ることができる「GSA(ジオ・スペース・アドベンチャー)2023」が、神岡鉱山茂住坑内や神岡町公民館で開かれました。
毎年、全国から定員を大幅に超える申し込みがある大好評のイベントですが、コロナ禍の影響などもあり、今回は4年ぶりの開催。定員150人のところ、1,078人の応募がありました。参加者は、25人ずつ6便に分かれてイベントを楽しみました。
一行は、マイクロバスに乗って入坑した後、懐中電灯を照らしながら薄暗い坑内を歩いて進みました。今回は、同イベントで初の神岡液体シンチレータ反ニュートリノ検出器「カムランド」の解説を実施。東北大学ニュートリノ科学研究センター修士課程2年の中村稜さんが、カムランドの施設概要やそこで行われている観測、実験などの基礎、これまでの成果などを紹介しました。現在進められているカムランド禅実験や検出器の高性能化にもふれ、参加者は質問するなど熱心に耳を傾けました。
また、懐中電灯などの灯りをすべて消して坑内の漆黒の闇を体験したり、鉱山内で採掘された魚眼石などの鉱石を購入したりして楽しみました。神岡鉱業株式会社の深野樹知さんから、坑内で使われていた重機などについても聴講。鉱山内を高さ500メートルほどまで移動するのに使っていたエレベーター「ケージ」や、高さ2月5日メートルほどの低い場所もある昔の坑道で使用していた「ロードホールダンプ」などに関する解説を聞いたり、ロードホールダンプを実際に触れたりしました。
最後に、スーパーカミオカンデ実験区域にも入りました。同施設の概要や実験内容などを紹介する動画を見た後、実験水槽の上部で東京大学宇宙線研究所特任准教授の平出克樹さんから研究の目的やこれまでの成果、建設中のハイパーカミオカンデの進捗なども聞きました。
各務原市から親子で参加した相良優貴さんは「これまでニュースなどで名前を聞いて知ってはいましたが、実験の意義など詳しいことは初めて聞きました。地下1,000mに入るのは未知の体験で面白かったです」、娘の小春さん(小学4年)は「真っ暗な体験が楽しかった。ニュートリノと反ニュートリノが出会うと消滅しちゃうことが分かりました。ハイパーカミオカンデが出来たら、また見てみたい」、息子の健さん(同2年)は「地下1,000mの暗いところで、洞窟の小さい穴が開いていたところが楽しかった。また来たい」と話していました。
神岡町公民館では重力波望遠鏡「KAGRA」や、大強度陽子加速器施設「J-Parc」と「T2K実験」などについて解説するセミナーも開かれ、参加者は熱心に受講していました。