9月26日(火)古川町公民館
令和5年度の介護予防講演会「転ばぬ先のいきいき人生」が、古川町公民館で行われました。
飛騨市の要介護認定において、申請に至った原因として「認知症」に次いで「転倒・骨折」が多く、転倒予防が高齢者の健康寿命に大きく寄与することが分かっています。飛騨市民病院では、今年度から理学療法士が高齢者の体操の集いの場におもむいて体操指導を行う事業を始めており、今回は同事業の一環。この日は、同病院リハビリテーション科の巣之内大輔さん、中屋亮太さん、清水麻衣さんの3人が来場して指導にあたり、市内の高齢者など約80人が参加しました。
巣之内さんは、老化にともなって筋力など運動能力の他、心や社会的な要素も含めて活動が低下している状態「フレイル」や、加齢によって筋肉量や身体機能が著しく低下する「サルコペニア」、骨や関節、筋肉などの運動器が衰えて立ったり歩いたりする機能が低下する「ロコモティブシンドローム」などについて、それらの定義や診断基準などを紹介しました。また、フレイルになっても、より早く気づいて対処することで改善する場合があることも指摘。朝昼晩の3食それぞれでしっかりタンパク質を摂ってから運動すること、適度な飲酒と「休肝日」の大切さ、転ばない歩き方と歩行に必要な筋肉の鍛え方、積極的な社会参加の必要性などを説明しました。
中屋さんと清水さんは、転倒してしまう原因として、加齢による筋力の低下の他、体のバランスをとる機能が低下していることも関係していると指摘。足の関節を柔らかく保つことが転倒予防につながると説明し、ふとももやふくらはぎのストレッチ、ひざや足首の柔軟運動、下半身の各部の筋力トレーニングなどの体操指導を行いました。また、ゆっくりとした散歩や草むしり、自転車に乗るだけでも、横になったり座ったりしているよりも数倍の負荷になると紹介。「今より1日10分多く体を動かす生活を心がけて」と呼びかけました。
この日は、40センチの高さの台に座った状態から片足で立ちあがるテストや握力測定などもあり、参加者は熱心に挑戦していました。市の体操教室に16年ほど継続して参加しているという古川町の足立功さん・雅子さん夫妻は「いつもはフローリングの床で体操をやっているので、椅子を使って体操をやるのは初めてでした。昔習った内容が多かったですが、これまでやってきたことが間違いではなかったと改めて確認できました。参加して良かったです」と感想を話していました。
なお、同様の講演会は、10月19日に神岡町ふれあいセンターでも行われる予定です。