9月27日(水)神岡中学校
広島市方面への修学旅行を予定している神岡中学校3年生の生徒を対象に、朗読劇『この子たちの夏~1945ヒロシマ ナガサキ~』が同校で上演されました。
修学旅行の前に戦争や平和について考える機会にしてほしいと、平和学習の一環で行われたもの。長年、地域や学校でこの作品を上演してきた神岡町の読み聞かせボランティア団体「こだまグループ」の皆さんからの働きかけもあって実現しました。この日は生徒約50人の他、保護者や地域の皆さんも観劇に訪れました。
この作品は、広島市や長崎市に原爆が落とされた日のことや、被爆者の苦労や辛さ、被爆した家族への思いなどを、当時の子どもたちや母親らがつづった手記や詩を朗読するもの。演劇制作体「地人会」(現「地人会新社」)が1985年から2007年まで、全国各地で上演しました。この作品を観た「こだまグループ」の皆さんが「ぜひ上演したい」と、地人会から許可を受けて同作品の中から一部を抜粋するなどして上演してきました。
この日は生徒有志8人と同校職員1人も参加し、一緒に朗読を披露しました。本番では、当時の写真や寄せられた詩などをスライドで映しながら、被爆当事者に思いをはせて朗読をしました。
観劇後、同校生徒会長の巣之内彩奈さんは「戦争のことを知らずにいたら、ただ見てくるだけになりそうでした。テレビとかで見たりしていただけなので、朗読を聞いて当時の人々の大変さを知れて良かったです」「朗読は、当時の人がしゃべっているようで入りこめました。神中生の朗読も当時を感じさせてくれました」と話していました。
朗読に参加した吉中莉緒さんは「テレビでしか戦争のことを知らず、写真を見て悲惨さが分かりました。詩を読んで想像して、身近な人がそうなってしまったら嫌だと思いました」、洞綾奈さんは「授業で学んだり朗読に参加して、被爆の辛さや当時のことを改めて知りました。詩から苦しさとか思いが深く伝わり、知ることができて良かったです」、甲谷美羽さんは「原爆のことなどはテレビでしか見てなくて、あまり知らないし、知る機会もありませんでした。今回、写真や詩で知ることができて良い機会になりました」、大西結心さんは「朗読なので、情景とかを想像してしまいました。歴史などは習うけど、写真を見たりするより、そのころのことを考えることができたと思います。正直ちょっと怖かったです」などと、上演後の感想を話しました。
「こだまグループ」代表の上葛美枝子さんは「広島では強烈な印象を受けると思うので、その前に朗読を聞いていただくことで、少し刺激が和らぐのではと思います。私たちの朗読が、当時のことを分かっていただくことの役に立つといいですね」と話し、生徒らの様子に目を細めていました。